みちのく舟唄

おんな船頭 十六夜(いざよい)舟は
あなた来ぬかと ただ待つばかり
舟に棹さしゃ 砂鉄の川に
寄せる白波 片恋しぶき
私しゃおばこの
南部みちのく 屋形船

きしむ恋舟 この川下り
連れて行ってよ 恋しい人へ
墨絵ぼかしの 夢からさめて
焦がれ泣きする 枕も濡れる
水面(みず)に三日月
南部みちのく 宵あかり

紅をひと刷毛(はけ) 紅葉(もみじ)の帯が
旅のお人と 知りつつ惚れた
どこに居るやら また気にかかる
げいび追分 晩秋しぐれ
ひと目逢いたや
南部みちのく 獅子ヶ鼻(ししがはな)
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