叩き三味線

叩き三味線 泣かせて泣いて
明日を手さぐり 流れ旅
アイヤ津軽は 凍ばれてヨー
雪の野面(のづら)に 身を寄せ合って
命を温(ぬく)める 雪うさぎ
アイヤー アイヤー
    
軒の大根(ダイコ)の 切れはし噛んで
胸の淋しさ まぎらわす
アイヤ今さら 戻らぬヨー
色もわからぬ りんごの恋に
おんぼろ涙が また落ちる
アイヤー アイヤー

爪の破れに 息吹きかけりゃ
見える筈ない 親の顔
アイヤ別れて 幾(いく)とせヨー
泣くな太棹 こらえておくれ
ひと吹き吹雪けば 春になる
アイヤー アイヤー
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