遠い国

きっと選ばれたのは君と僕だったんだ
忘れ物を取りに帰る時間がないから
悲しい夜風を浴びたら知らない歌が浮かんできた
君に歌う歌があるならそれが全てなんだ

些細な変化にも気づいてしまうくらいに
夜は静かで

明日のことも明後日のことも
遠くにいる国のように
君のことはひとつも知らないけれど
何故だか愛おしい

ずっと待ち侘びていたの君のような静かな人
朝も昼も夜もずっとおんなじような人

愛情や友情に理由をつけて
僕は逃げていた

赤く染まる重たい心
馴染んでひとつに重なり合った
君の胸に開いた大きな手のひら
鼓動が強く押す

遠い国にいるみたいで、それがいいね

明日のことも明後日のことも
遠くにいる国のように
君のことはひとつもわからないけれど
それでも愛おしい
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