先にシャワーを浴びたアンタから
熱っぽいフローラルふわり香る
髪の毛から水滴飛び降りて
フローリングに落ちて死んでゆく
大きな手で頭撫でられると
あの日のパパ思い出す
甘えるのは昔から苦手だから
寂しくても自分のせい

鉛のように重い足取りなのに
人の群れに紛れるたび
アタシだけ浮いてる様に思えて恐くなる
誰かになぞってもらえなきゃ
自分の輪郭さえもうわからない

アンタの代わりなんて居ないのに
アタシの代わりはたくさんいる
そんな気がするんだ
それなのに呑気に寝息立ててるアンタむかつく
見上げた常夜灯 ほら滲んでく

乱れた布団の上パンツ探して
仄暗い中液晶開いて
二人のミッドナイトが終わる
タバコの煙と白けていく
不完全燃焼だった今日
雑念だらで嫌んなるよ
でも良いんだアンタが良けりゃいいんだ

どうせ今夜も眠れないわ
静かに寝たフリをするよ
足音みたいな秒針に耳を塞ぐ
羊はもういないけど
隣にアンタがいてくれるから良いか。
好きだよ
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