あのね

あのね、こんな話さ
するつもりなかったけれど、聞いて欲しい
すっかり他人みたいな
もぬけの殻部屋があなたで溢れてる

寂しさ抱えたその背中が
なんだか私みたいでほっとけなかった

いつまでもさ
一緒に笑い合えたらいいけど
ベルが鳴り響くから、もう行かなくちゃ
私の心の奥で確かに熱く刻んでいた
鼓動がまだ忘れられない
あなたの声が聞こえる
今だけはそばにいてもいいかな

あと5センチくらい足りない隙間を
誤魔化すように、選んだ珈琲の
苦くて、愛しい香り
意地悪な笑い声と嘘の味

あなたが置き忘れた温もりに
触れてしまうたび、震えてしまうのさ

いつまでもさ
一緒に笑い合えるなら何もいらない
言葉なんて必要ないでしょう
私の心の底をまだ満たし、傷つける
火傷みたいな記憶が冷える前に
あなたの声が聞きたくなったから
そばにいてもいいかな

またねの約束ももしもの夢もいらない
鍵の変わった扉が開くなら
嫌だな。微熱も苦みも失くしたくないや
あと一度だけ、抱きしめたい

いつまでもさ
一緒に笑い合えたらいいけど、ごめんね
いつまでもさ
一緒に笑い合えるなら何もいらない
はずなのにさ
あなたの声が聞きたくなったから
そばにいてもいいかな
あのね、でもやっぱりいいや
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