春の前に

沈んだまま消えた
夕日が滲んで見えたのは
私の目が濡れているからで
溢れ出した気持ちを笑顔で騙す

もう終わる
忘れたくはないな
悲しみに似たこの感情も
思い出せない日が来るのだろうか

闇に沈んだ恋も
君との青い日々も
春の前にここにそっと
置いてゆこう
私の心に生き続けるはずだから

もう終わる
どうして春が来る?
せめて笑顔でいたいけれど
やっぱり騙せないよ

春の前に「また、いつか。」
鋭く美しい言葉を交わす
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