流れ舟

川の水面に 浮き沈み
誰が流した 木の葉舟
いのちをひとつに 寄せ合いながら
涙で数えた 冬いくつ
ふたり何処まで 流れ舟

夜霧(きり)にまぎれて しのび逢う
恋は運命(さだめ)か また夢か
おまえの小さな その肩先に
行き交う蛍の 薄明かり
揺れて何処まで 流れ舟

水にゆらゆら 身を投げて
泣いているよな 木の葉舟
噂を逃れて この世の果てに
暮らせる倖せ あればいい
ふたり何処まで 流れ舟
×