ボクシング vs 口内炎

口内炎に舌をあて
点いたまんまのテレビを観る
午前3時 自由 仕事を辞めたから

判定待ちのボクサーが
両手を挙げて勝ち名乗り
でも心の中じゃ負けたと判ってる

産まれた時に僕らは祝福を受けたのさ
まっさらな未来が 広い未来が待っているから
それがみんなの目には眩しく見え
満ち足りるから

人生の方向に「もしも」は無い
人は一本道を行く
でも僕はその道すら感じないんだ

ボクサーも産まれた時は祝福を受けたのさ
今は殴られて 瞼を切って
ガードを固め 野次を飛ばされ
セコンドからもまたビンタを喰らい

ボクサーはきっと負けたんだろう
テレビを消して僕は寝た
僕は誰に負けたのか考えて
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