おとぎ話

むかしむかし 泣き虫だった
男の子がどこかにいました

とうめいな心を持ってた男の子は
とてもふしぎな力を持っていました

だれかのため涙流すたび その涙は星になって夜空にかがやきました
そして星空のうたを歌って 人々は笑顔になって誰もが幸せそうに
真っ赤な目をして笑った

男の子は 天使のような
女の子に恋をしました

でもある日おかしなことに気が付きました
その女の子は笑顔を知りませんでした

男の子は頭をかかえて ぽろぽろ涙がこぼれて夜空にかがやきました
女の子は頭をかしげて きらきら光る星空をしずかに見上げました
いくせんの流星がふる夜

涙はもうかれはて
かがやくものはひとつもありませんでした

さいごの力をふりしぼって 男の子は星になって夜空にかがやきました
女の子はその星を見上げ 生まれて初めて笑って声をあげ泣きました
いくせんの流星がふる夜
×