桜川慕情

旅の夜空で 背伸びをすれば
好きで別れた あの彼女(こ)が見える
もどかしい思い出が
徳利(とっくり)を熱くさせるから
ねぇ おねえさん
訊(き)いてもいいかい
あんたのふるさとは どこあたり?

ひとりで寝ても 二人で寝ても
なぜか寂しい 何か足りない
少年の日のように
いつでも夢をさがしてる
ねぇ おねえさん
一緒に飲むかい
お猪口(ちょこ)がしあわせを 連れてくる

月日(とき)は流れて 男女(ひと)を流して
思い出だけを 岸辺につなぐ
帰りたいあの町を
流れる川は桜川
ねぇ おねえさん
桜は好きかい
あんたと吹雪(ふぶ)かれて みたくなる
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