GRAY SKY

「また電話して」と
手をふる歩道橋

わたせない言葉
ポケットの中
しわくちゃなまま

ただのトモダチじゃない
でもコイビトじゃない
選ぶことさえできずに

グレイの空がふたつの影をつつむ
いつから
ひとは無邪気な恋をわすれる

好きになるほど
伝えるのこわくなっていく
たったひとこと“きみが好き”
それでいいのに

恋は桃色ね
はじまりだけは

環状道路に
消える背中
ずっと見送った

気まぐれにやさしく
求めれば離れる
きみはだれを想うの?

きみの記憶で微笑うわたしはきっと
うそつき
曖昧な駆けひきをたのしんでる

近くなるほど
傷つくのこわくなるけど
きみを知りたい
サヨナラとひきかえても

グレイの空がふたつの影をつつむ
いつから
ひとは無邪気な恋をわすれる

好きになるほど
伝えるのこわくなっていく
たったひとこと“きみが好き”
それでいいのに
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