面影傘ん中

街の灯りが 連れてくる
濡れた舗道に 想い出を
わたし愛した あのひとは
今は何処(いずこ)か 遠い町
雨の雫は 恋の涙か 面影か
くるりまわして 未練ふりきる 傘ん中

涙隠した 路地裏に
風が冷たく 吹きぬける
傘を持つ手が 似てるよで
そっと振り向く 横顔に
想い破れて 一人ぽっちの 雨の夜
夢にすがれど 指も凍える 傘ん中

赤いネオンが 忍び込む
女ごころの 奥の奥
今じゃ逢えない あのひとの
笑顔滲んだ 水たまり
雨よ濡らすな 遠いあの日の ぬくもりを
頬の雫を 傘で隠した 傘ん中
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