さすらい挽歌

雨降る夜更けは 酒に酔い
風吹く朝(あした)は 君を恋(こ)う
川に流れが あるように
時代の流れの 岸辺(きし)を行く
北のさいはて 北のさいはて… さすらい挽歌

吹雪に閉ざされ 道もなく
忍んで越えゆく 幾山河(いくさんが)
他人(ひと)と較(くら)べる こともなく
昭和の明かりを 灯しつつ
古い男の 古い男の… さすらい挽歌

見上げる夜空に 星ひとつ
訪ねる明日の 夢に似て
意地は通さず ぶれもせず
流氷枕の 北の旅
一人さいはて 一人さいはて… さすらい挽歌
×