岩尾別旅情

北の涯 知床の
吹く風はつめたく
波荒いオホーツクに
白いかもめはあそぶ
丘の上に咲く 一輪の
エゾニューの花によれば
茜色の 空に光る
小さな星ひとつ

友と語る 知床の
岩尾別の宿よ
静かに 雨降る夜の
思い出はもう消えぬ
ランプを見つめ 彼の友と
旅の情うたえば
暗い夜の 谷間へそっと
美わしく流れゆく

別れてゆく 知床の
霧にけむる道で
手を降る 君の姿は
花のかげに消えた

いつの日かまた 会えると
笑顔で別れてきた
君の声が 今もきこえる
その日までさようなら
君の声が 今もきこえる
その日までさようなら

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