旅…みれん

風の寒さに… 振り向く旅は
遠くの灯りが なつかしい
みんな無(な)くした 俺なのに
…こんなに涙が 残っていたか
あいつの あいつの純情(まごころ)が
あゝ… 微笑みかけてくる

つらくないかと… 肩抱き寄せて
泣かせてやれたら よかったな
指もふれずに きた俺を
…おまえは馬鹿だと 夜風が責める
流れの 流れの旅みれん
あゝ… 想いがまた揺れる

どこへ渡るか… はぐれた鳥よ
こんなに凍(しば)れる 明けの空
俺の宿命(さだめ)は 冬でいい
…あいつに小さな 春さえくれば
ごめんよ ごめんと詫びながら
あゝ… 明日(あした)を祈ろうか
×