似た者どうし

宵の口から したたか呑めば
親父の姿が 目に浮かぶ
田舎ぐらしは ごめんだなんて
いきがる昔が やるせない
男の日の目は 夢の夢
夜にまぎれた カラスが一羽
俺も近頃 わかってきたよ
親父あんたの 酒の味

群れを嫌って はぐれた背中
並べて飲んでる 夜もある
帰る塒と 話せる奴が
あるだけましかと 独り言
いまだに土産も 作れない
夢の苦さが 今さら沁みる
うまくやれない 生き方さえも
親父ゆずりの この俺さ

ふらりと暖簾の 店を出て
夜にまぎれた カラスが一羽
駅へ流れる 人ごみの中
親父贔屓の 酒に酔う
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