木琴の唄 -Xylophone-

打擲(チョウチャク)落ちるひたかみの
湖畔に 崩れるひみつの樹
四角い楽器が歌うのは
ひほへといろは

打擲(チョウチャク)首をかしげては
愚かな娘を眺めている
おまえの眉は火薬の粉
おまえの腕はパルセノキッサス
おまえの唇は破れた障子

まだらにはげたおしろいに
冷たい指を這わせている
硬いまぶたの向こうから
ひらめく水の色

明けて皇紀三百年
祝いの車が曳かれていく
メメない鳥が渡るのは
白濁の空

えのころの草の茂みでは
食み出たシャツを直している
ざわざわざわざわざわ揺れている
おかしな遊びだね

打擲(チョウチャク)消える泣き顔の
私はあなたの僕(シモベ)です
あなたの悪を知っている

黙って見ている
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