みちのく角館

北の男は 無口すぎるから
言えない言の葉が 雪になるのね
黒塀の町に 白い冬がきて
ひとり震える 旅の宿
絡まったままの 赤い糸に じれて
ふたりの縁(えにし)を切るように 爪をかむ
ああ 雪が降る 雪が降る しんしんと
あなたに焦がれる 魂は
あなたのふるさとに 置いてゆく
さよなら みちのく 角館

祭りと桜が 自慢なんだよと
酔っては口にした 故郷(くに)の話
うなずくたびに いつか私の
遠いふるさとに なってた
季節たがえて 寒さこらえても
人恋しさに泣きそうな 雪ざくら
ああ 夢が降る 夢が降る しんしんと
あなたに抱かれた 魂は
あなたのふるさとに 翔んで行け
さよなら さよなら 角館

ああ 雪が降る 雪が降る しんしんと
あなたに焦がれる 魂は
あなたのふるさとに 置いてゆく
さよなら みちのく 角館
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