港のカナちゃん

そりゃないよカナちゃん
ボトルの下に さがさないでと
なぐり書き 今度ばかりは
本気だと 人さわがせにも
ほどがある うれしがらせて
またまた消えた お茶目千鳥に
日暮れる 港町

そりゃないよカナちゃん
時化より怖い 女ごころも
ありだけど 惚れた弱みを
引きずって 海峡荒波
越えたのさ どこの出船と
夜遊びしてか 遠い汽笛が
せつない 港町

そりゃないよカナちゃん
いつもの癖で どうせひと夜の
雲がくれ 帰りそびれて
迷うより かわいいえくぼを
見せとくれ 風も止んだか
桟橋あたり 灯りぬらして
星降る 港町
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