じっとしてろ

兎角こうまで変わった世の中
じっとしてればいいもの
泳ぎ切るのも何だか妙にぎこちない気がするのさ

歩を進める度に失ってくくだらない過去の代わりに
様々な思惑の渦の中
俺も巻き込まれたくて
近道ばかり探っては襄(ふくろ)小路だけ

あんたも俺の傍から
煙の様に消えちまってるのは何故だ

バイバイ

散々玩ばれた挙句
覚束(おぼつか)ない足取りで階段転げ落ちても
下で支えてくれる人も無い

仕方無いだろ
濡(そぼ)降る雨に立ち尽した老体じゃ

何時の間にやら
俺は又独りにされちまった様だぜ

バイバイ

混迷の中
あんたが優しく俺に手招きしてるが
水底(みなぞこ)深く沈んだ躰は
ただじっとしてるだけだ

幾ら涙を流しても腹は足りないぜ

冗談じゃないぜ
あんたと関わると又一つ疑い深くなる

バイバイ
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