LIVE REPORT

トータス松本 ライブレポート

トータス松本

トータス松本 渋谷C.C.Lemonホール

2009年10月26日@渋谷C.C.Lemonホール

取材:石田博嗣

2009.10.20

人生に於いて20代というのは自分が打ち込める“何か”を見つけるためにがむしゃらに突っ走り、30代は見つけた“何か”を目指して目いっぱいに努力し、40代は手にした“何か”をより突き詰めるために打ち込む...というようなことを、本で読んだ記憶がある。40代でソロアーティストとなり、自身の音楽を突き詰めようとしているトータス松本のライヴを観ていて、そのことをふと思い出した。ステージ上のトータスは終始笑顔で、精魂込めて作り上げた1stソロアルバム『FIRST』の楽曲たちを、気持ち良さそうに歌い上げている。彼の音楽はソウルやブルースといったルーツミュージックのDNAを感じさせ、上戸 彩に書いた曲のセルフカバー「Honey」にもモータウンの香りが漂っていたが、一番伝わってきたのは彼の人となりだ。歌詞には今の時代に生きる43歳の男の喜怒哀楽が描かれていて、それをライヴというリアリティーのある場で歌うトータスは、まるで素をさらけ出すように、その歌の向こうにある“自分”を届けていた。バンドではできないことをやるのがソロ...という簡単な縛り以前の、ひとりの音楽家としての自己表現がそこにあった。もちろん、音楽を目いっぱいに楽しんでいる彼の“めっちゃ、楽しい!”という感情が派生し、客席に笑顔があふれるライヴだったことは言うまでもない。ソロアーティストとなっての1stツアーは、このライヴで終幕を迎える。今回のツアーを回ったことで、ソロとしてやっていくことに腹が括れたと語ったトータス。そして、“俺はこれからも歌を作って、歌って、みんなを巻き込んでいきたい。みんなに良いものを返す”とも断言した。彼の“何か”への本当の探求は、ここから始まるのかもしれない。
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