LIVE REPORT

THE MADNA ライヴレポート

THE MADNA ライヴレポート

【THE MADNA ライヴレポート】 『THE MADNA CREAM SODA TOUR チェリーボゥイ&チェリーガァル』 2022年12月26日 at 新宿BLAZE

2022年12月26日@新宿BLAZE

取材:本間夕子

2022.12.31

バンド名のとおりマッドなDNAをその体内に宿し、音楽シーンに彗星のごとく現れたTHE MADNA(読み:マドンナ)。結成から1年足らずの間にEP 2作とシングル2作をリリース、ワンマンはもちろん対バンにイベント出演にと通産60本以上ものライヴを行なうなど精力的に活動を展開してきた彼らが2022年12月26日、東京・新宿BLAZEにて全国9都市10公演を回ったワンマンツアー『THE MADNA CREAM SODA TOUR「チェリーボゥイ&チェリーガァル」』のファイナルを迎えた。しかも、新宿BLAZEはTHE MADNAにとって遡ることちょうど1年前の同じ日に初ライヴを開催した始動の地でもある。記念すべき1周年、詰めかけたファンの期待を一身に浴びて登場した4人のステージは、彼らが駆け抜けた一年という時の大きさとかけがえなさを観る者に知らしめ、ただならない未来への予感をもひしひしと感じさせる、まさにシーンの急先鋒と呼ぶに相応しいものだった。

“始めるぞ、東京!”

涼太(Vo)の号令一発、一斉にオーディエンスのクラップが響き渡ってはタフなバンドアンサンブルと混じり合い、のっけから一体感で満たされる場内。幕開けは彼らの最初の作品である1st EP『Beautiful inferno』に収録の「ビューティフルワールド」が飾る。EPでは作品のラストに位置する楽曲だが、疾走感あふれるサウンドと流麗なメロディーはライヴのオープニングにもよく似合う。歌詞も絶妙に今日という日にリンク、最後に綴られた《二人が初めて出会ったあの場所で...》のフレーズを歌う涼太の切なくも愛情あふれた歌声がリアルに胸に迫ってくる。そんな端正な余韻は、しかし、「蠢」のアグレッシブなヘヴィネスにたちまちかき消され、扇情的な歌と演奏がオーディエンスを容赦なく狂騒の坩堝へと叩き込んだ。さらに“俺らはこの曲から始まった”という涼太の言葉とともにEPリリースに先駆けてMVとして世に初めて公開された楽曲「MAD GAME」が投下されれば、もはや理性など宇宙の彼方だ。ディストーションを効かせながらも不思議と軽快なサウンド、歌詞に込められたTHE MADNAの勝気な意志表明も実に痛快。激しく展開を変える曲構成もまた彼らの特筆すべき持ち味のひとつで、まるで暴走するジェットコースターに乗せられたかのようなスリルと快感はちょっと他では味わえない。

ハードコアに畳みかける「Deep6」から一転、カラフルに突き抜けたポップチューン「アナキストベィビィ」、そしてこれが初披露となったバラード「空虚」—— 中盤戦に差しかかり、続けて演奏されたこれら3曲は全て最新シングル「CREAM SODA」のカップリング曲(「アナキストベィビィ」はType B盤のみ、「Deep6」はType C盤のみ収録)なのだが、曲調のまったく異なるこの最新3曲のリレーにはTHE MADNAというバンドがこの一年で獲得した進化がたしかに体現されていたように思う。中でも「空虚」が抱える出口のない思慕を繊細に表現した涼太のヴォーカリゼーションと、それをさらにドラマチックに昇華させる楽器隊3人の演奏の包容力には目を見張った。打ち込みの流麗なピアノトラックとも相まって楽曲をいっそう情感豊かにする太嘉志(Gu)のエモーショナルなギター。朋(Ba)のベースは淡々としながらも涼太が歌い上げる歌に宿った感情の底をしっかりととらえてオーディエンスへの橋渡しを担う。理緒(Dr)のドラムワークは楽曲のぶれない軸となってタイトかつ緻密に積まれ、それがむしろこの曲にダイナミックな広がりを与えるかのようだ。“何かが好きでしょうがなくなって、つらくなったりするじゃない? 好きなはずなのにつらい、そんな曲を”という曲紹介を挟んで始まった「空虚」、涼太が歌う切々とした痛みは、けれどほのかな甘やかさも宿していて、そうした痛みを感じられること自体が希望なのかもしれないとさえ思わせた。

“このツアーは俺らにとってターニングポイントというか、このツアーでTHE MADNAっていうバンドの形が改めて出来上がったような気がしてます。かかわってくれたみんな、本当にどうもありがとう。バンドの結成日で言えば俺らは8月とかなんだけど、1年前にここで初ライヴをしてみんなに会えた日を結成日にしようって決めました。だから、12月26日が俺らの結成日で記念日ってことで。いいよね? そんな、俺らと君たちのことを思って書いた歌です”

そう涼太が告げて演奏された「graffiti days.」のなんと沁みることか。フロアーいっぱいに揺れる手のひら、そのひとつひとつに音に乗せた想いが手渡されていく。だが、しっとりとした感動で終わらせるTHE MADNAではなかった。“もっともっといこう。ファイナルだからって、1周年だからって特別扱いしない。アンコールなんて用意してないからな! ここで全部出しきれよ!”と後半戦を一気に突っ走る。アッパーにラウドに攻め込んだ「GiANT KiLLiNG」。野太いコーラスもなんともアジテーティブな「OUTLAW」はミクスチャーロックを標榜する彼らの真骨頂であり、音源以上に攻撃的でこれでもかとオーディエンスを煽り立てる。持ち場を離れた太嘉志と朋が理緒の目の前で激しく行き交ってみせ、理緒の貴重な笑顔を引き出すなど、メンバーもメンバーでますますやりたい放題。ステージもフロアーもとにかく自由に楽しんでいるのが伝わってくる。

ツアーファイナル、そして1周年記念を締め括ったのは「CREAM SODA」。ポップスからヘヴィメタル、ラウドロックと彼らがカッコ良いと思う要素をギュウギュウに詰め込んだ、最新シングル曲にして最新型のTHE MADNAサウンドがここぞとばかりに炸裂する。ファンの要望に応えて盛り込まれたという太嘉志のギターソロもオーディエンスの興奮をブースト。曲中、涼太がたまらず叫んだ“おまえら、愛してる!”はこの日最大の賛辞だ。最後の最後は理緒のドラムを合図に、フロント3人が同時にジャンプ。見事なエンディングにフロアーは喝采に湧いた。

この日のMCで“もっともっとみんなが家族とか友人とか会社の人とかに自慢できるバンドになる”と誓った涼太。その約束は近い将来、果たされるに違いない。正式な発表ではまだないが、来年の春にはリリースとツアーが予定されていることも彼の口から伝えられた。2年目に向かって踏み出すTHE MADNAの新たな一歩、2023年のこの日、4人の目の前にはどんな光景が広がっているのか。楽しみ以外の言葉がない。

取材:本間夕子

THE MADNA

マドンナ:2021年12月にデビューEP『Beautiful Inferno』を発表。メンバーの狂った遺伝子が混ざり合った予測不能なサウンドで、最後まで飽きさせない無限の可能性を秘めた傑作となった。期待の高まる中、同年12月26日に新宿BLAZEにて開催された初ライヴで集まったファンを魅了。22年11月には2ndシングル「CREAM SODA」をリリースし、結成1周年ワンマンツアー『THE MADNA CREAM SODA TOUR「チェリーボゥイ&チェリーガァル」』を開催!

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    1.ビューティフルワールド

  2. 2

    2.蠢 3.MAD GAME

  3. 3

    4.東京BAD STREET KING

  4. 4

    5.8mmBOMB

  5. 5

    6.Deep6

  6. 6

    7.アナキストべィビィ

  7. 7

    8.空虚

  8. 8

    9.Pendulum

  9. 9

    10.ノイズ

  10. 10

    11.禁断の夜のアリス

  11. 11

    12.Emily

  12. 12

    13.graffiti days.

  13. 13

    14.GiANT KiLLiNG

  14. 14

    15.OUTLAW

  15. 15

    16.CREAM SODA