LIVE REPORT

『AIR JAM 2012』 ライブレポート

『AIR JAM 2012』

【15日】dustbox、FRONTIER BACKYARD、MONGOL800、SION & The Cat Scratch Combo、マキシマム ザ ホルモン、AA=、MIGHTY CROWN、Dragon Ash、HUSKING BEE、Hi-STANDARD(出演順) 【16日】RADIOTS、MEANING、RIZE、THA BLUE HERB、ASIAN KUNG-FU GENERATION、KEMURI、SLANG、10-FEET、BRAHMAN、Hi-STANDARD(出演順)

2012年09月15日@国営みちのく杜の湖畔公園みちのく公園北地区 風の草原

写真提供:(C)AIR JAM 2012/ 取材:荒金良介

2012.09.20

昨年、11年振りにHi-STANDARDと伝説的イベント『AIR JAM 2011』が復活を遂げた。その会場となった横浜スタジアムで“来年、絶対東北でやるから!”とAkihiro Namba(Vo&Ba)が力強く宣言していたが、ついにその日がやってきた。今年は2日間開催で両日ともに快晴が続き、本当に暑かった。昨年同様、“AIR STAGE”と“JAM STAGE”のふたつのメインステージがあり、今年は新たに“東北ライブハウス大作戦STAGE”が追加され、総勢27アーティストが集結した。
初日のトップはdustboxが飾り、豪放なメロディックパンクを叩き付けると、観客は激しくモッシュする。ド頭から砂埃がブワーッと舞う光景は、豊洲で行なわれた『AIR JAM ‘98』を彷彿させた。それからFRONTIER BACKYARDは煌びやかなポップ感、MONGOL800の真っ直ぐな歌とメッセージに胸を打たれる。哀愁たっぷりのSION & The Cast Scratch Comboのしゃがれ声、昨年の嵐に続いてマキシマム ザ ホルモンは光GENJIの「勇気100%」のカバーで意表を突き、日本の現状にAA=は容赦なく硬質なメッセージを投げかけた。この日だけの特別仕様で挑んだMIGHTY CROWNは録音した横山 剣(クレイジーケンバンド)の“AIR JAMバージョン”の替え歌を流し、キヨサク(MONGOL800)をゲストに招くなど賑々しいステージで沸かせる。Dragon Ashはハイスタの「Endress Trip」のカバー、ラストの「Viva La Revolution」にもグッときた。サポートのTatsuya(Dr/locofrank)を含む編成では最後になったHUSKING BEEは名曲群を連発し、この場で正式な再始動を宣言して驚かせた。
2日目はギラギラしたパンク魂をぶちまけたRADIOTS、東北への思いを乗せて激走したMEANING、猛烈なエナジーを放ったRIZEと序盤から観客の体力を根こそぎ奪っていく。THA BLUE HERBのILL-BOSSTINO(MC)の言霊に心を射抜かれ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの凛としたサウンド、この日を機に復活したKEMURIの溌剌としたスカパンクにもテンションはアガッた。SLANG演奏時にはKen Yokoyama(Gu&Vo/Hi-STANDARD)がモッシュエリアに突入したり、昨年と同じく剥き出しの感情で迫る10-FEET。“ハイスタまたやってくれるんじゃねえか”と早くも次回を熱望するTOSHI-LOW(Vo)擁するBRAHMANの渾身の演奏にも魂が震え上がった。
そして、2日間のトリを務めたHi-STANDARDは東北の復興とこの場にいる全ての人の気持ちを背負った圧巻のライヴを見せつける。初日は「turning back」~「Standing Still」、2日目は「Growing Up」~「Stay Gold」と対照的な幕開けでも分かる通り、被った曲はなんと3曲だけ(両日ともに全14曲)。とにかく、どの曲も底抜けに明るく、体中から活力が漲ってくるような希望のメロディーを解き放つ。最終曲「Mosh Under The Rainbow」では観客が肩を寄せ合って輪になって回る姿が数え切れないほど見られ...本当に夢の中にいるような陶酔感を味わった。