竹野内 豊が主演の月9ドラマ『イチケイのカラス』主題歌を含む全4曲入りEP!

 2021年6月9日に“和楽器バンド”が最新作『Starlight』E.P.をリリースしました。今作には、フジテレビ系月9ドラマ『イチケイのカラス』主題歌「Starlight」やTVアニメ『MARS RED』のオープニングテーマ曲「生命のアリア」を含む全4曲を収録。メンバー8人、ファンクラブの名前も真・八重流、彼らにとって“8”は大事な数字です。そして今年はバンド結成満8年、デビュー8年目の記念年!そんな記念年に「より多くのひとに刺さって、より多くのひとの心を動かす音楽をやりたい」という強い想いで放った4曲。インタビューでは、今作の全作詞作曲を手掛けた町屋(Gt.&Vo.)にお話を伺いました。彼の作詞の軌跡や歌詞へのこだわりにも注目です…!
(取材・文 / 井出美緒)
Starlight作詞・作曲:町屋 編曲:町屋/和楽器バンドそばにある大切さを 気付けない日々の中でアスファルトに芽吹く小草 生命は輝き
見上げる空、流れる雲 息をして駆け出そう
君がくれたこの気持ちを 君が愛したこの世界で
自分の言葉そのままに 焦りや迷いも乗り越えたい
私がいつか全てのこと 歓びに変えて行けるように
同じ景色を見ていたい 走り続けよう 新たな未来へ今
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高校1年生ぐらいまではラブソングばっかり書いていました。

―― 町屋さんは和楽器バンド結成前から、曲作り自体はされていたのでしょうか。

もう物心ついたときから、楽器を弾けない状態でも曲作りしていたんですよ。鼻歌でメロディーを作って、歌詞を乗っけて。そのとき読んでいる漫画とか絵本とかのテーマソングを勝手に作ったりしている子どもで。近所の中学生のアニオタみたいなひとから、いろんな作品を教えてもらっていたので、結構ませたものを読んでいたと思います。小さい頃から日々のルーティーンで作詞作曲をやっている感じですね。

―― いちばん最初に書いた歌詞って覚えていますか?

覚えていますけど、フレーズは絶対に言わないです(笑)。でもテーマとしては、その漫画や絵本の世界観を歌にしたものでしたね。そういうものなしに、自分で自分のために作詞作曲を始めたのは小学校4~5年生ぐらいかな。で、歌詞を書き始めるとき、いちばん書きやすいのはやっぱり恋愛もので。高校1年生ぐらいまではラブソングばっかり書いていましたね。

―― そうなんですか!意外です。

逆に恋愛以外のテーマを扱うことが難しいというか。僕は基本的に、自分が知っていることや想像できる範囲内のことしか書けないと思っていて。人生経験が少ないなかで書けることって、恋愛ものなのかなって。でも同じラブソングでも、まず「人を好きになる幸せ」というテーマで書くじゃないですか。やがて別れを経験したら「失恋ソング」が書けるし、一人の時期には「孤独」をテーマにした歌も書ける。そうやって成長過程と共に歌詞の幅は広がっていくんですよね。

ラブソング以外の歌詞を書くようになったのは、高校2年生ぐらいからかな。それぐらいの年になると、みんなニルヴァーナとか聴くじゃないですか。すると社会批判の歌とか書きたくなるわけですよ(笑)。そこからいろんな方向性の楽曲を書くようになりましたね。

―― 幼い頃から今に至るまで、ずっと人生とともに作詞作曲があったんですね。

そうなんですよ。だから自分でも気持ち悪いんですけど、僕はもう職業病で。身内に不幸があったときでさえ、絶対に頭の片隅で「あー、これで1曲書ける」とか思っちゃうんですよね。

―― 和楽器バンドを結成した際、歌詞面では“こういうものを書いていこう”というテーマの共有はあったのでしょうか。

とくに共有はしませんでした。ただ、初期の頃は“和×ロック”という形をかなり前面に押し出していて。だから自然と少し古い言葉を使ったり、難しい言い回しにしたり、日本特有の表現をしたり。かつ美しい日本語で歌詞を書くというのは、今もすごく意識しているところではありますね。

―― 幼少期から10年以上ご自身が続けてきた作詞作曲と、和楽器バンドとしての曲作りの違いに違和感などありませんでしたか?

あー、そこはやりやすかったかもしれません。和楽器バンドの場合はタイアップがついていることが多いんですよ。だから、自分が幼い頃から勝手にテーマソングを作っていたように、作品のテーマに寄り添って曲を書くという点では似ているというか。たとえばタイアップがアニメだったら、そのアニメを観ているひとが主題歌によって、作品に対する想いをより深められるような曲作りをいつも心がけていますね。

―― また、和楽器バンドにとって“8”という数字は大事だと伺いました。今年はバンド結成満8年、デビュー8年目という記念年ですが、メンバー8人でここまで活動を続けているバンドって他になかなかいらっしゃいませんよね。8人だからこその難しさというと…?

photo_01です。

うーん、楽器が多いところ(笑)。8つの楽器が常に鳴っている必要って全然なくて。うちの場合は楽曲を構成していく上で、足し算ベースで進めていくと、音数を増やしてもっと弾くみたいな感じになっていっちゃうんですね。でもそれだと限界があるじゃないですか。いかに引き算できるかが大事なんですよね。だから「ここは入りたいかもしれないけど、ごめん、お休みでお願いします」みたいな。僕もギターでお休みのところたくさんあるし。8人いると、そこの抜き差しのバランスがいちばん難しいところではありますね。

―― なるほど。人間関係というより音のバランスの難しさなんですね。

ですね。人間関係は3人ぐらいのバンドがいちばん揉めやすいと思います(笑)。2対1とかになりがちじゃないですか。でも和楽器バンドの場合、時期によって誰と誰がとくに仲良いとかローテーションはするものの、独りにはならないんですよ。8人もいると孤立しないところが、うちのメリットのひとつですね(笑)。

―― では、8年を通じて、和楽器バンドの歌詞を書く上で変わったなと感じる面はありますか?

毎度より良い歌詞を書きたいという気持ちは強くなっている気がします。良い言葉、悪い言葉の基準って難しいとは思うんですけど…。表現として「最適」か「ちょっと惜しい」か、そういうラインがあって。その「最適」に近づけようとしつつ、聴いたひとが飽きないように、聴いたひとに刺さるように、というところを大事にするようになっています。楽曲の雰囲気に合わせた歌詞がただ乗っているだけではなく。言葉だけで聴いたときにも、耳に残るものを目指して、日々改善をしていますね。

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