裸の心と色トリドリな声で歌を届ける彼女のニューシングル!

 20歳を迎えた2013年に『自身の歌声をもっともっとたくさんの人々の心に直接届けたい』という強い想いを胸にデビューしたソロシンガー“安田レイ”がニューシングル「through the dark」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』エンディングテーマとして書き下ろし。今回はそんな安田レイに、メールインタビューを敢行!作詞の際には“色”にまつわるワードを使うことが多いという彼女は、今作で“光と闇”そして“本当の色”を描いております。それは一体どんな感情を表した色なのか…。曲に込めた気持ちから、これまでの軌跡や作詞論まで、じっくりとご堪能ください…!

(取材・文 / 井出美緒)
through the dark作詞:安田レイ 作曲:Jeff Miyahara・Kuraaki Horiあなたの 暗闇 触れたい その向こう側 その真実let me light your darkness 離れてても
won't you let me light your darkness 見つけるから
光よ走れ あなたの元へ through the darkもっと歌詞を見る
1番書きたくなるのは、恋愛がうまくいっていないときかな(笑)。

―― まず、コロナの影響で外出が難しい日々が続いておりますが、どのように“おうち時間”をお過ごしですか?

ずっとお家で、料理をしたり、服の整理をしたり、映画を観たり、曲を作ったり、意外とやることはあって、なんだか忙しくしていますよ(笑)。あとは、今、歌番組の収録ができないので、お家で歌っているところをiPhoneで撮影しています。なかなか大変ですが、楽しみながらやっています!

―― レイさんはお母様の影響で“宇多田ヒカル”さんに衝撃を受け、シンガーを志されたそうですね。

宇多田さんの「first love」に影響を受けてシンガーになりたいと思ったのですが、やはり<最後のキスは タバコのflavorがした>というフレーズは、27歳になった今でも、すごい歌詞だな、と思います。宇多田さんはどんな恋愛をしていたのでしょうか。いつかご本人に聞いてみたいです。あれはノンフィクションだったのか。

でも、歌詞ももちろんそうなのですが、やはり宇多田さんが作る楽曲のなかに見え隠れするR&Bの要素だったり、邦楽の美しさだったり、そういう何か自分のアイデンティティと重なる部分を感じたのかなと思います。

photo_01です。

―― ご自身の“シンガーとしての理想像”は、実際に活動をしていくなかで変化を感じる面もあるのでしょうか。

どんどん変化しています。最初は『シンガーになって歌いたい』と思っていましたが、気づいたら『曲を作りたい』と強く思うようになっていました。この変化はきっと、シンガーソングライターの友達の影響が大きいと思います。みんな自分で作った曲に対する愛情が強く、私も自分で作った曲が、自分にとって、ファンのみんなにとって、どんな存在になるのか知りたかったんです。作詞作曲は丸裸になれる作業で、自分の分析もできるし、ファンのみんなも「レイちゃんの深いところが知れて面白い」と言ってくれるので、これからも曲のなかで重たい鎧を脱ぎ捨てて、丸裸になっていきたいです。

―― これまでの活動のなかで、もっとも大きな転機を挙げるとすると? また、スランプに陥った時期はありますか?

まず、転機は20歳に“安田レイ”としてデビューしたことだと思います。その前も、12歳の頃から別の名前で歌っていましたから、やはりこのデビューができたのは大きな転機でした。なかなか思い通りにいかない毎日ですが、焦らないで、自分の歌をこれからも歌って、支えてくれている皆さんとの音楽の繋がりを大事にしていきたいです。

スランプ期も、もちろんありますよ。なんだか思うようにライブができないとき。曲を作るのに何日も何日もかかるとき。そういうときって、もっとこんな風に見られたいとか、自分が持っている以上のものを出そうとしていて、その“力み”もたまには必要ですが、とても邪魔くさいものでもあるんですよね。なので、自分でも読み取れないこの波とはうまく付き合っていくしかないのかなと思っています。人間ですから(笑)。

―― Twitterでレイさんは「声フェチ」だというツイートを拝見しました。ご自身の声の特徴を言葉で表すなら、どんな声だと思いますか?

声を使う仕事でもありますし、やっぱりアーティストに限らず、人の声とはとても気になるものです。自分自身の声を分析するのはなかなか照れくさいですが、するとすれば、とても丸い声をしているのかなと思います(笑)。良い意味でも悪い意味でも、トゲがないというか。高音で張り上げて歌ったとしても、そんなにやりすぎている感が出ないのは、声が丸いからなのかな?と思っています。でも、曲によって声の出し方は変えたりしていますし、デビューした20歳の頃の声とは明らかに違っていて、なんだか常に声が変化していて楽しいです。

―― レイさんが、人生でいちばん最初に書いた歌詞は覚えていますか?

多分、高校生ぐらいの頃、たしかラブソングだったと思います。片思いの切ない気持ちを書いた気がします。その歌詞はどこに書いたかも覚えていないので、きっと探しても出てこないと思うのですが、今読んだら恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がないと思います(笑)。やっぱり年齢によって恋愛の価値観て変わりますし、そりゃ歌詞の書き方も変わりますし、でもその変化から人間の成長みたいなものが見えて面白いですよね。

―― 最近はとくに、ご自身での作詞・作曲の楽曲も増えてきておりますが、歌詞面での変化はいかがですか?

歌詞を書き始めたばかりの頃って、自分の良いところばかりを書いていた気がするんですよね。ダメな部分は隠して生きていたいみたいなところがあって、それが歌詞にも表れていたというか。でも27歳になった今は、もっと自分のダメなところとか、恥ずかしいところとか、ダークなところを書いてもいいのかなって思えるようになってきました。それができるようになってからは、気持ちをよりうまく整理できるようになったと思いますし、どんどん自分のダメな部分も書き出していきたいですね。

―― レイさんは、どんなときに曲を作りたくなったり、歌詞を書きたくなったりすることが多いのでしょうか。

感情がすごく揺れ動いたときはメモをとります。何かものすごく嬉しいことがあったり、辛いことがあったり、そういう瞬間に、これはいつか曲になるかもしれないと思って(笑)。でもやっぱり1番書きたくなるのは、恋愛がうまくいっていないときかな(笑)。きっと自分でうまく整理できないバラバラになったピースを、曲作りでどうにか組み立てようとするんでしょうね。なので、泣きながらピアノに向かうこともありますよ(笑)。

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