適当に透明な世界suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 昨日コンビ二で買った透明な傘と 残りわずかな小銭と君を連れて ゆううつに包まれた普通列車に揺られ 二人とも知らない駅で降りてみたのさ 不意に流れた君の透明な涙 それを見つめていた僕はとても冷静で 君は小さなハンカチでそれをぬぐうと 屈託のない笑顔を見せようとしたのさ 「海が近い」とはしゃいで適当に歩く ほどなくして聞こえた心地よい音 フラフラ過ぎる時間がひたすら愛おしくて 僕らはただ、、、 消波ブロックの前で透明な二人 冷たくなった風に吹かれながら くだらない話ばかりを交わしたけれど 君の不意打ちな涙は相変わらずで 日が落ちた広い海が透明でキレイ 遠くに揺れる夜景もとてもキレイ 猫背のままの二人は今にも消えそうで 頬をさする潮騒を確かめたのさ 影をなくしたままで適当に歌う 帰り道に響いた心地良い音 リズムを刻む時間がひたすら愛おしくて 僕らはただ、、、 つまづきながらそれでも適当に笑う 帰り道なんかなくなりゃいいのに 確かにある存在がひたすら愛おしくて 僕らはただ ただ ただ幸せで あまりにも美しくて適当な夜が いつまでも続けと願いながらも やがて訪れる明日を心のどこかで 僕はただ、、、 君もただ、、、 昨日コンビ二で買った透明な傘で 君を見送った僕も不意に泣いたのさ この日の事をとにかく忘れたくなくて 泣きながらこの歌を作ってみたのさ 適当に透明な世界の中で、、、 |
月影のラヴソング feat.MONSTER大陸suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku・MONSTER大陸 | 団地マンション5階から 今日も見えるぜ、お月様 まん丸、色白、でこぼこだけど素敵だな 素敵だな あの名曲が聴きたいな “くだらねぇ”で始まるやつ 動画探したら見付かるかな? そういや明日は期末テストだ 君が好き 君が好き 不意に思い出した横顔 君が好き 君が好き これが恋というものなのか? 木造アパート半地下 まぁ見づらいぜ、お月様 瞼を閉じた様な三日月で可愛いな 可愛いな ラスト一本の煙草だ 何か祈って火を点けろ 吐き出す煙はいつも白い 心が真っ黒になろうとも お前が好き お前が好き 相変わらず思い出す笑顔 お前が好き お前が好き 恋をいつまでも感じたい 高級ホテル最上階 ちゃんと見えるぜ、お月様 少し欠けたって夜景に負けず綺麗だな 綺麗だな 永遠を信じてみたい 神様だっていてほしい 一つ手にしたらいつもそこで 次の光を求め出して あなたが好き あなたが好き あなたが好き 思い続けてるこの気持ち あなたが好き あなたが好き 恋は続いてくものなんだな 戦争屋も 支配者も テロリストも見上げてるのかな 君が好き お前が好き そんな言葉を零しながら あなたが好き |
退屈な映画suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 映画の中のヒットマン そいつで誰を殺るんだい? 僕らを楽しませて その引き金をさあ引けよ 考え込んだヒットマン 早く狙いを定めろ たまには悲しませて エンディングにはまだ早い 見つけた憧れも 手にした名声も 散らかるこの部屋が そんなに嫌なのかい? 映画の中のヒットマン そいつで誰を殺るんだい? 僕らを楽しませて その引き金をさあ引けよ 苦し紛れのヒットマン 次は何を仕出かすの? まだまだ楽しませて 月影が赤く染まるまで 「表を裏返せ」こだます囁きに あなたは振り向いて 崩され消えてゆく 静かにに流れ出す 見慣れたエンドロール 何度でも繰り返せ 退屈な映画 映画の中のヒットマン そいつで僕をやるのかい? 周りを楽しませて 置き去りにでもする気なのかい? |
創膏suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 悲しいのよ 一度ぐらい泣いてしまいたい 冷たい枕を 今夜もせっせと温めて 苦しいのよ 一度ぐらい叫んでしまいたい 目を閉じたらほら 素敵に落ちてくる星空 傷だらけの膝小僧を 夕焼け空に我慢して 何故誇らしく思えるの? 羨ましいわね… 寂しいのよ 一人ぐらい甘えてしまいたい 煙草もお酒も 気休めに貼った絆創膏 虚しいのよ 一人ぐらい振り向かせられたら 明日の朝には 夢の続きが見れるかしら? ちょっと擦りむいた頬っぺたを 青空に喚き散らして 何故他人のせいに出来るの? 頭が良いのね… 悲しいのよ 一度ぐらい泣いてしまいたい 冷たい枕を 今夜もせっせと温めて 苦しいのよ 一度ぐらい叫んでしまいたい 目を閉じたらほら 素敵に落ちてくる星空 寂しいのよ 一人ぐらい甘えてしまいたい 煙草もお酒も 気休めに貼った絆創膏 虚しいのよ 一人ぐらい振り向かせられたら 明日の朝には 夢の続きが見れるかしら? 少しぐらい素直になって お薬止めなくちゃ |
ソアラsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | ポリカーボネートに映る空が 余りにも綺麗過ぎて 軋むグラスファイバの翼が ひたすらに愛おしくて 君は今日も風を探しては 夢の形を飛ばす 何度も 何度も 笑いながら腕を振りかざし 指差す 指差す その雲の峰にまで届くように 眠りの中でも描くのは 思い通りのマヌーバ 細長く白いコントレイルで 無限のマークを作ろう 君はゴーグルもかけないまま 音を越える速さで 何度も 何度も 軽やかに心を弾ませて 踊るよ 踊るよ その目が覚める明日の始まりまで いつか頭の上から 僕に見せびらかしてくれ 君を照らす遥か彼方にある 本物の輝きを 何度も 何度も 笑いながら腕振りかざすよ 何度も 何度も 軽やかに心弾ませるよ 不安も 涙も その眩しさには敵わないだろう |
零ドライブsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 自由になんでも選べるんだろ? なんでもいいよ ゲームでいいよ バリバリ砕けるアイディー ドレモコレモソレモアレモダレデモ 時代はどこでも繋がるんだろ? どこでもいいよ ネットでいいよ ブクブク太るアカウント ダサイクサイマズイグロイウルセェな こんな毎日ゼロになれ ぶっ壊したい デリートしたい 同情する時代を そしたら君に言えるはず 苦しいよって 寂しいよって 素直に泣くために 自分でいつでも伝えるんだろ? 飾って気取って メールでいいよ ガンガン燃えるタイムライン ダルイサムイウザイキモイシツケェな こんな毎日ゼロになれ ぶっ飛ばしたい リセットしたい 馬鹿にされた自分を そしたら君に会えるはず 嬉しいよって 楽しいよって 素直に笑うために 上っ面だけ綺麗でも 全然欲しくはないんだ 汚くても真実なら あぁ、どうしても知りたいんだ こんな毎日ゼロになれ ぶっ壊したい デリートしたい 気付かれない自由を こんな毎日ゼロになれ ぶっ飛ばしたい リセットしたい 分かち合える自由を そしたら君と語るんだ 夢ってやつを 愛ってやつを タイトルはいらないんだ |
セスナの空suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 眠い風にくすぐられて軽く咳をして わだちをたどりただひたすらに 刻む足音を 一つ一つ数える 変わりだした季節の色に一度頷いて 木陰の先 駅の向こうに立ち並ぶビルを 一つ一つ眺める 梅雨明けの町を夏が乾かして いくつかの約束がそっと動き出す頃 ガード下の人々にも見えているのかな 白い羽根のセスナがほら青空の中を 淡く淡く彼方へ 探す事も目指す事も創りかけのまま 余白だけが増え始めたあやふやな日々を 一つ一つ重ねる セミの鳴き声がかすかに響いて いくつかの思い出がそっと目を覚ます頃 片目をなくした野良猫にも見えているのかな 白い羽根のセスナがほら青空の中を 淡く淡く彼方へ 逃げ水が揺れて かげろうが揺れて いくつかの憧れがそっと色褪せる頃 記憶だけの遠い君にも見えているのかな 白い羽根のセスナがほら青空の中を 淡く淡く 走り書きのあの言葉なら届けられるかな 白い羽根のセスナを今青空の中へ 淡く淡く見送ろう 淡く淡く彼方へ 淡く淡く彼方へ |
素晴らしい世界suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 都会を飾る真夜中の明かり 「あれは残業の景色なんだよ」と 君は眠そうに目を擦りながら 独り言のように呟いてる 商店街のシャッターが閉まり 終電車は最後の片道を 重たそうにひどく軋みながら 二人の影を瞬かせて消えた 帰り道 頭をめぐるのは 明日の不安ばかり 駆け抜ける風の潔さが 羨ましくなるよ 僕らが見つめてる世界はいつまでも 光も暗闇も抱え続けるから 迷うことくらい 何度もあるさ 涙が浮かんだら そのまま流せばいいよ 酔い潰れた誰かは道端に 野良猫は行きつけのあの家に それぞれの温もりを求めては 一つだけの命を繋いでく 足元で揺れる花のように 強かになれたら 君の手をためらうこともなく 引いて歩けるのに 僕らが見逃した世界はもう二度と 同じ形で現れてくれないから 悩むことくらい 何度もあるさ 理想に疲れたら 静かに崩せばいいよ 星空が煩く輝いて 君の声が響く 「悲しみも 苦しみも 痛みも忘れ去りたいよ」と 僕らが見上げてる 世界はいつの日か 儚く消えてしまうかもしれないけど ここで今立ち止り腕を伸ばして 二人が掴むのは確かなものだから 嬉しいことも必ずあるさ 何もいらないから 優しく微笑んでくれ 俯くその顔を ゆっくり上げてみてくれ そこに広がるのは 素晴らしい世界なんだ |
ストリートミュージシャンsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 足踏みしてとるリズム 掻き鳴らして擦り減るピック 両手にはにじむ汗 錆び付いたストリング 遠ざかってゆく西日 背中に感じながら放つ 僕らの歌声が 街に響き渡る 口には出せない無数の思いに 誰もが苦しめられて 矛先を探している 笑われて罵られても目を伏せて 忘れようとしてる自分が悔しくて 何を得られるとも知らず僕らは 気が付けば路上に立っていた 紙とペンを手放さずに ひらめいた途端に まるでパズルを組むように 言葉を書きなぐった 五線譜なんか要らないんだ 綴られた思いの上に コードをふるだけで メロディーは生まれた ふと立ち止まるあなたの瞳から 落ちる涙の理由を僕らは知りたくなる 胸に秘めた辛い過去も 悲しみも 忘れられないままの自分が虚しくて 宛てがわれた部屋の外で僕らは 気が付けばギターを持っていた 笑われて罵られても目を開けて 仕返しのつもりで歌に変えてやるさ 胸に秘めた辛い過去も 悲しみも 拭い切れないのなら歌い飛ばすまでさ 異端者を拒む世界で僕らは 気が付けば路上に立っていた ギターを持っていた 歌をうたっていた |
ジオラマsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 何も浮かばず 何も沈まず静かな丘で 隣の君は遠い目をして いつものポーカーフェイス 今夜の風は北よりの風 冷えた三日月 踊る街灯 滑る人影 ジオラマの街 一粒の欠片はただ ゆっくり甘く溶けるだろう 「君だけは守れるさ」と 寂しがりやのプライド 青い画用紙と白い綿毛を 夜に被せて 白熱灯の笠を外せば 昼の街並 溜息を吹きかければ ほら 雨雲の出来上がり 「このまま消えてしまえ」と 卑怯者の黒魔術 一粒の欠片はまだ 溶けず苦く冷たいまま 思わず噛み砕いたら 覚めた夢 崩れた街 「最初からやり直し」と 二度寝する臆病者 夕焼けの作り方は 君のセンスに任すよ |
酒気帯び散歩suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 何か物足りない 今日も目がイタイ いつもの幸せに フラフラ酒気帯び 頼りない言葉が 街をぬいあわせる 両手を見つめれば 浮き出る不安 簡単にラクに手にしたんだ 君の街ではなんでもそろう 空を飛び交う電波が少しジャマかな 上昇下降エレベーター 誰かさんの出世はエスカレーター 不平不満はビルの壁に刻まれたままいつかは風化していく 公園のすみには こわされた自転車 鼻をくすぐるのは 粘るヤニの匂い 無邪気な声には あの日のおもかげ カラスの鳴き声に 現実に戻される 必死になって集めたカード 今じゃどれもこれも全て無効 有効期限があったなんて聞いてない 神経質でカンペキ主義な誰かさんの人生は不安定 ポケットの中に入れたまんまのビスケットはもう風化している クツ底がすり減って ついでに心もすりへってんのさ 響き鳴る鐘はいつも遠く 忘れかけた思い出を見せるんだ 簡単にラクに手にしたんだ 君の街ではなんでもそろう 空を飛び交う電波が少しジャマかな 上昇下降エレベーター 誰かさんの出世はエスカレーター 不平不満はビルの壁に刻まれたままいつかは風化していく “ただいま”“おかえり” 夕飯のにおい 変わりない幸せに フラフラ酒気帯び |
酒気帯び散歩(Re-constructed by Pe'zmoku)pe'zmoku | pe'zmoku | suzumoku | suzumoku | pe'zmoku | 何か物足りない 今日も目が痛い いつもの幸せに ふらふら酒気帯び 頼りない言葉が 街を縫い合わせる 両手を見つめれば 浮き出る不安 簡単に楽に手にしたんだ 君の街では何でも揃う 空を飛び交う電波が少し邪魔かな 上昇下降エレベータ 誰かさんの出世はエスカレータ 不平不満はビルの壁に刻まれたままいつかは風化していく 公園の隅には 壊された自転車 鼻をくすぐるのは 粘るヤニの匂い 無邪気な声には あの日の面影 鴉の鳴き声に 現実に戻される 必死になって集めたカード 今じゃどれもこれも全て無効 有効期限があったなんて聞いてない 神経質で完璧主義な誰かさんの人生は不安定 ポケットの中に入れたまんまのビスケットはもう風化している 靴底が擦り減って ついでに心も擦り減ってんのさ 響き鳴る鐘はいつも遠く 忘れかけた思い出を見せるんだ 簡単に楽に手にしたんだ 君の街では何でも揃う 空を飛び交う電波が少し邪魔かな 上昇下降エレベータ 誰かさんの出世はエスカレータ 不平不満はビルの壁に刻まれたままいつかは風化していく |
週末suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 「電車がホームに参ります」雑踏の中響くアナウンス こんな景色どこにでもあるのだろう… 日々に疲れた少年が 背中丸めゆっくり俯いた 虚ろな目に浮かぶのは最後の場所 塾の帰り駅のホーム 人込みを掻き分けて飛び降りる 選び抜いたステージは線路の上 一瞬の静寂の後 巻き起こるざわめきに包まれて 走馬灯に酔いしれるままに 笑みを浮かべ 黒く消える 何を求めて 何を探して 何が怖くて 何から逃げたくて 僕らは今日も 錆びた思いを にわかに見送るだけ… 駅の前では弾き語り 真っ赤なギター掻き鳴らす少女 かすれだした声で歌う最後の曲 どこか物悲しいメロディー 絶望と希望が織り成す街 気付かない溜息さえリズムになる 誰も立ち止まることなく 歌い終えた体を傾けて 傷の消えない白い手首を 強くにらみ 声を上げる 何を叫んで 何を伝えて 何が憎くて 何が愛おしくて 僕らは今日も 慣れた言葉を わずかに繋ぎ合うだけ… 夜を彩るネオンサイン 隙間もなく並ぶ高層ビル 音も立てず瞬いた最後の星 今なら手にできた過去が 仕方ないと諦めた未来が 夢のようにぼんやりと空に揺れる 点滅する青い光 映り込む全てが敵に変わる 不意に溢れる熱い涙も 冷めた十字路の影に染まる 何を掴んで 何を落として 何が正しくて 何が間違いで 僕らは今日も 彷徨いながら 羨む幸せ 繰り返す悲しみ 週末が過ぎる 問いかけながら 思いを見送り 言葉を繋ぎ合い 確かに明日へ歩く… 「人身事故が起きました」喧噪の中響くアナウンス こんな景色どこにでもあるのだろう… |
サヨナラ日常suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 伝えらんない事 数えらんない程 刻んでいたい鼓動 感じていたいもの サヨナラ日常 シャレんなんない誹謗 信じらんない希望 捕らえらんない首謀 今日も何人死亡? 溢れる絶望 嫌んなっちゃった、もう 誰んなったって、そう 早く何とかしろ すぐに緊急浮上 足りない愛情 常識嘆き喚き 変わらぬ現状 そこから飛び出したいから サヨナラ日常 晴れんなんない土曜 演じらんない模様 見つけらんない腫瘍 薬何回使用? 溶け出す太陽 悟っちゃったんだ、もう 何度やったって、そう これで満足だろう ずっと発展途上 虚ろな表情 錠前堪え応え 帰らぬ感情 ここから抜け出したいから サヨナラ日常 常識嘆き喚き 変わらぬ現状 錠前堪え応え 帰らぬ感情 試され 隠され 騙され タチサレ日常 伝えらんない事 数えらんない程 刻んでいたい鼓動 感じていたいもの 伝えらんない事 数えらんない程 刻んでいたい鼓動 感じていたいもの 伝えらんないよ 数えらんないよ 刻んでいたいよ 感じていたいよ 伝えらんないから 数えらんないから 刻んでいたいから 感じていたいから サヨナラ日常 |
蛹 -サナギ-suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 枯れ葉の落ちる音も響きそうな 暗がりの四畳半に一人 膝を抱えながらも飛び立つ日を 思い描く蛹 まるでお湯を注いで作りあげた 安物で即席の生活 明日の予定さえも夢の中で 慌てて立てる始末 乾いた唇 ボサボサの髪 染みの取れないままのTシャツ 真っ白なスケッチブックだけが 完璧だと主張している 「もっと頑張れ」と言われるその度に 僕の傷口は酷くなるみたいだ 「何が欲しいの?」と聞かれたらすぐさま そいつの全てを奪いたくなるだろう 例え雨が降ろうが槍が降ろうが ひび割れる事もない毎日 指をくわえながらも目覚める日を 思い描く蛹 ささくれた小指 充血した目 虫に食われたままの靴下 壁に貼付けた写真だけが 永遠だと主張している 「もう諦めろ」と言われるその度に 僕は傷口を抉りたくなるんだ 「何がしたいの?」と聞かれたらすぐさま そいつの全てを壊したくなるだろう 爪先の側に 迫る夕闇 僅かに頷く胸の鼓動 次第に麻痺する不安だけが 生き延びろと主張している 「もっと頑張れ」と言われるその度に 僕の傷口は酷くなるみたいだ 「何が欲しいの?」と聞かれたらすぐさま そいつの全てを奪いたくなるだろう 「もう諦めろ」と言われるその度に 僕は傷口を抉りたくなるんだ 「何がしたいの?」と聞かれたらすぐさま そいつの全てを壊したくなるだろう 枯れ葉の落ちる音も響きそうな 暗がりの四畳半に一人 背中のミシン目に気付けないまま 眠りに就く蛹 |
コワイクライsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 僕が歌うのは寂しがりやの歌 聴いて欲しくてしょうがないのさ だけど親密でリアルな指摘には ただムカついてしまう始末 “才能無いよな”と気付かされる事は 頑張る事で始まるから “程良い距離感”を保ってさえいれば 誰も叩かない筈だから クライ、クライ、怖い未来が 背中に問い掛けてくる 「お前に何が出来るのか」と 気付かない振りをしたって 知らずに走り出してる 崩れていくリズムとメロディー 私の両腕は寂しがりやの腕 抱き締めたくてしょうがないのよ だけど温かいリアルな体には ただ戸惑ってしまう始末 “また裏切られる”と疑い出す事は 信じる事で始まるから “自分の責任”と片付けてしまえば 誰も恨まない筈だから コワイ、コワイ、暗い夜道が 煙草に火を着けてくる 「あなたはこれで十分ね」と 平気な振りをしたって 本音は零れ出してる アスファルトに染み込む涙 作り笑いも痩せ我慢も 月明かりにはお見通しだ クライ、クライ、怖い未来が 背中に問い掛けてくる 「お前に何が出来るのか」と コワイ、コワイ、暗い夜道が 煙草に火を着けてくる 「あなたはこれで十分ね」と クライ、クライ、君に会いたい コワイ、コワイ、君に会いたい 愛したいよ、コワイクライ |
衣替えsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | アパートから30秒の 自動販売機に 温かい缶珈琲が ついに並び出した こんな事で季節を知り 衣替えをしたら 着膨れた君の姿を 思い出してニヤけた 作りかけの歌 それは夏模様 はしゃいでた言葉達も さすがに疲れてる 片付けたい考え事は いくつも浮かぶけど 君と手を繋ぎたくて 駅へと向かうのです 花を付けた金木犀 風に溶ける香り 白髪の老夫婦が 静かに見上げてる そんな事で自分を知り ぼんやりしていたら 危うく電信柱に ぶつかりそうになった 暮れ始めた空 茜色の街 たむろする女子高生が「ちょーきれい!」と叫ぶ 繋いだ手が冷たいと いけないだろうから こっそりとポケットに 両手をしまうのです 賑わう改札 見つけた一人に 差し出してあげましょう 小さな温もりを 繋がれた二人の手は 意外な温度差で 「もしかして冷え症なの?」と 言われてしまうのです まだまだ力不足と 密かに思うのです ホッカイロを買わなくてはと ずる賢いのです |
幻灯機suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 「また明日遊ぼうね」夕暮れに溶けた声 脇道へ駆けてゆく 懐かしい影法師 がらんとした校庭に 思い出す笑顔の日々 切なさも憂鬱も 知らなかった五時の鐘 飴玉のセロファンが 枯れ葉に混ざり合い 風に吹かれカサカサ 僕の足元を賑わす 今の目の中は 夕暮れなんかじゃなくて 目紛しい程に 過ぎ去る毎日さ 「またいつか会いましょう」手を離す恋人達 駅前の月影で また一人泣いている あの日 知らない街で 迷子になれたのは 優しく包んでくれる 帰るべき場所があったから 今の目隠しは 君の手なんかじゃなくて 狂おしい程に 生き急ぐ毎日さ 確かなものが欲しくて ついつい背伸びして ずる賢さが僕を 大人へ育ててきたのかな 今の目の奥は 悲しみなんかじゃなくて 愛おしい程に 求める毎日 スライドを照らす 幻灯機の光が 瞬きしながら 映し出してくれる |
グライダーsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 下を向くなよレイディー 放っとけない性格で 誰のせいでもないさ こんな時代なんだぜ? こっちに来いよレイディー 一人で生きるなんてさ 足りないものは何だい? 要らないものばかりだろ? 考え込んで泣いて 心が錆付いて 一からやり直して 本当の翼で 飛び込んで行け グライダー 雲を越えて 風を蹴って 手を叩いて オーライ オーライ 息を吸って 素顔出して 気持ち届けて オーライ オーライ オーライ! ややこしいんだよミスター 無理矢理言葉並べて 正解なんか無いさ そんな世界なんだぜ? 一緒に来いよミスター 諦めちまうなんてさ 要らないものは何だい? 足りないものばかりだろ? 立ち止まって迷って 答えが傷付いて 一から繰り返して 理想の翼で 羽ばたいて行け グライダー 昨日を越えて 今日を蹴って 足鳴らして オーライ オーライ 息を吐いて 汗流して 気持ち届くぜ オーライ オーライ オーライ! 海を越えて 空を蹴って 声枯らして オーライ オーライ 息を呑んで 見つめ合って 愛し合おうぜ オーライ オーライ オーライ オーライ オーライ! |
悔しさのスリーカウントsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | あてもなく歩き出した夜 深紅のテールライトを睨んで 一つ二つ三つ アイツの顔 勝ち誇る態度 でかい笑い声 どこまでも無限の空よ 何度でも叫ばせてくれ どこまでも無限の空よ 悔しさのスリーカウントを 人の痛みを知りなさいと 薄っぺらいテレビに垂れ流して 誰が好き好んでそんな事を 知りたいかと呟き舌打ち 明日がまた来てしまうのかと 群青の暗闇を眺めて 一つ二つ三つ 愛と正義と 握り締める拳 それが答え どこまでも無限の星よ 何度でも勇ませてくれ どこまでも無限の星よ 何度でも立ち上がる為に 悔しさのスリーカウントで 朝焼けた空 星が消えて 銀のさざ波も見飽きた 帰ろう帰ろう スリーカウントで 何もかも全て受け止めて どこまでも無限の空に ためらいは必要ないだろ? どこまでも無限の星に 諦めは似合わないだろ? どこまでも無限の宇宙 何度でも叩き鳴らせ 始まりのスリーカウントだ |
昨日のワルツsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 一人だけカギを忘れて 仲間はずれにされた放課後 扉の向こうは明るく 楽しげな話し声がした 諦めたのさサッパリとね 泣きわめくのも馬鹿みたいだし ほんの少しだけ ほんの少し 胸の奥がザラつくけれど 声がした「おいでよ!」 少し遅いよ 僕はちょうど走り出したところ 気持ちを言葉にできない 目を見て語るのも無理かな たいした夢すら持たずに 帰ればテレビゲームの音 デジタル画面 ゼロとイチ 間違えればリセットボタン 完璧な世界 思い通り 猫背がまたひどくなるけど 声がした「夕飯だよ!」 タイミング良く 僕はセーブをし終えたところ 傘はささずに雨の中へ あの日に見た映画のように 仰いだ空が目に染み込む 何もかも混ぜ合わせながら 声がした「風邪ひくよ!」 大丈夫だよ ちょっと大人になりたいのさ まだ今はぎこちない 昨日のワルツ 僕は軽くステップを踏むよ 軽くステップを踏むよ |
如月suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 止まぬざわめきに耐え切れず 思わず仰いだ狭い空に 君のカタチは現れずに 崩れて流れて消え行く雲 様変わりした街に あの日を重ねてみても わずかにずれる二人の影に 切なくまた俯いてしまう… 気付かず速まる足音に 溜息を絡め夜明けを待つ 窓の隙間落ちた三日月 救い出すこともできないまま 乾いた喉が痛む 右手がしびれている 取り留めなくにじむ涙を ごまかす言葉も見つからない… 君と出会わなければ 苦しまずに済んだの? 違う違うと問いただして 無理矢理瞳閉じる毎日 巻き戻せるのならと 偽りさえ装うけど 瞬きを繰り返す程に 思い出に溶ける君の笑顔 音もなく訪れた如月 あの日をただ優しく包んで… |
ガタゴトsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 朱色のリボン付けて 朝からお疲れ様 今日も西から東まで 真面目にガタゴト そこの小柄なあなた なんとか乗れますよ すし詰めは日常茶飯事 ご了承下さい 老若男女 細身に太身 運べるものは運びます 弱音一つ吐く事なく 真面目にガタゴト 敷かれたレールの上 夜までお疲れ様 酒臭い輩にも慣れっこ 真面目にガタゴト そこの泣いてるあなた とりあえずお乗りなさい 気持ちが落ち着く駅まで ご一緒しましょう 喜怒哀楽 汗水涙 気兼ねなくどうぞ 運びます 時々はぐずつくけれど 真面目にガタゴト 老若男女 細身に太身 喜怒哀楽 汗水涙 夜明けから丑三つ時 ただ前向きに運びます 変わりゆく街を眺めて 真面目にガタゴト 毎日ガタゴト ひたすらガタゴト |
街灯suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 「もしもさ、明日全てが滅びるならどうしようか?」 夕日と歩きながら ふと君が問い掛ける 「いきなりどうしたの?」と おどけて笑ってみても 真面目なその横顔に 僕は少し立ち止まる 認め合いその時まで 二人生きれるのなら 迫り来る最期が どれほど暗くとも 街灯が一つ また一つ 灯される日常を願うだけ 「私は、美味しいものをお腹いっぱい食べたい」と 真面目なその横顔で 君はぽつりと零した 都合の良い事だけを 世界が望むのなら 遠くの国々が 戦い止まずとも 星が一つ また一つ 消えてしまわないよう願うだけ 夜が来るまでに 疲れてしまうまでに 伝えたい事が たとえ届かなくとも 手を振って「おやすみ、夢でまた逢いましょう」 そんな言葉を交わすだけで 僕は幸せだから どこかの救世主が 何を救おうとも 君が一つ また一つ 笑顔になれるのなら 迫り来る最期が どれほど暗くとも 街灯が一つ また一つ 灯される日常を願うだけ |
鴉が鳴くからsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | お前のボロボロの翼は 誰と喧嘩した傷跡だい? まさかまさかと思うけど 自分で付けた傷跡かい? 目一杯広げてみてごらんよ ほらね、向こう側が丸見え まさかまさかと思うけど 気付いてないことはないだろ? 光なんか消えてしまえ 見透かされる事もなくなる 悲しみも痛みも要らない あと少しで空に夜が染みる…… 鴉が鳴くから帰ろう 構わないで一人にしてくれ そうかい、僕は気にしないさ お前の目に闇が染みようとも 考え込んでる振りなんかして 不自然なくらい汗まみれ まさかまさかと思うけど 今更怖気付いたのかい? その通り出来損ないさ 何処へも飛べない役立たず 過去も未来も現在も要らない 嘘もついた 泣言も散々…… 鴉が鳴くからおいで 構うのなら手を引いてくれ 何だい、随分良い身分だ その調子で嘘でも羽ばたけよ 見渡せば誰も彼も 僕もそうさ 解れてボロボロ 理想の翼が欲しくて いつまでも雛でいたいんだろ? 鴉が鳴くから帰ろう 構わないで一人にしてくれ そうかい、僕は気にしないさ お前の目は最初から真っ黒! 鴉が鳴くからおいで 構うのなら手を引いてくれ 何だい、随分良い身分だ その調子だ 本当は飛べるだろ! |
カタパルトsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 嫌いだって離してしまえばそっと 綺麗な思い出に変わるよそっと 「頑張れ!」って何度も叫びながら 僕は今日も手を振るばかり 飽きたって壊してしまえばきっと 新しい何かを手に出来るよきっと 信じ切って誰かについて行けば まっさらな僕はそこにいるのかな… ずっと見れないままだった 見えないだけだった 錆びていくカタパルト 蹴っ飛ばす様に 蹴っ飛ばす様に 夢を追いかけたい 空になった部屋を眺めるんだって そうして思い出に変えるんだって 「じゃぁな!」って一度でも叫んだら まっさらな日々はそこにあるのかな… ずっと言えないままだった 言わないだけだった 動かないカタパルト ぶん殴る様に ぶん殴る様に 今をこじ開けたい 涙目を そっと窓の外 きっと遠い空 だって僕はただ ずっとずっとずっと… 見れないままだった 見えないだけだった 錆び付くなカタパルト 言えないままだった 言わないだけだった 動き出せカタパルト 知らないままだった 知らないだけだった 行ったり来たり繰り返して 蹴っ飛ばす様に ぶん殴る様に 君に叱られたい |
愛しの理不尽suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 差し出された未来を眺めて どうにでもなるさと笑った その背中に冷たい手の平 突き落とされたスクランブル 前も後ろも右も左も 肩組みする歯車に取り囲まれて どうにでもなれ!と逃げる背中を “腰抜け”と世間が決め付ける 人はみんな助け合えるから 信じられるさと頷いた その瞳に乾いた一言 追いつめられた扉の前 今日も昨日もきっと明日も 目配せする嘲りに放り出されて 信じられない!と拒む瞳を “可哀そう”とメディアが決め付ける にじむ夕暮れ 振り返る道 今さら蘇る放課後の残り香 帰りたくない!と流す涙を “子供だ”と社会が決め付ける 笑えばいいさ 馬鹿にすればいい 誰もが語る“普通”にはなりたくない 常識の雨に打たれ呆れて 僕は僕の歌声を決め付けるさ 嗚呼、愛しの理不尽なこの世界よ 嗚呼、愛しの理不尽なその心よ |
甘いアルコールsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 空になった右手のグラスに 甘いアルコールを注いでくれよ いつ誰が見つけたかは分からない とてもとても眠たくなるやつさ 疲れ果てて俯いてる君も 甘いアルコールをひとつどうだい? 飲み干す程に疲れは消えて とてもとても気持ちが楽になる むせ返る程煙たい現実も 迷う程広がる人の群れも 朝まで味わう間だけなら 全て忘れていられるはずだから またいつもの暗がりの部屋で 甘いアルコールに酔い潰れてる 朝が来るまで飲み続けていても 二日酔いにはならない酒なのさ 消されてゆく思い出の場所も あの日なくした大切な物も 朝まで味わう間だけなら 全て見つける事さえ出来るのさ 気付けば朝焼けが綺麗で 右手のグラスもなくなっている 何もかもが意味なく流れる ラベルのない不思議な酒なのさ |
明日が来るぜsuzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | 感じる事 抱える事 完璧でも 輝いても 何が分かる? 誰が分かる? もう分からねぇ 歩き出せば 冷やかされて 突き破れば 釘刺されて 前と後ろ 右と左 もう気にしねぇ 嘘も噂も愚痴も疑惑も プライバシーもリツイートシェア 世の中信じれなくたって 便利で快適で… 感じたまんま行けるなら それでもいいだろ? 完璧なんか幻と とっくに知ってるから 何様の幸せなんだ? 誰様の希望と夢なんだ? さぁ、俺達が認め合えれば 明日が来るぜ 立ち止まれば 追い越されて 振り返れば 指差されて 可能、不可能 やる、やらない もう迷わねぇ みんな買ってる みんな持ってる だから安心 だから欲しい メイドイン何処の物だって 安くて可愛くて… 抱えたまんま行けるなら これでもいいだろ? 輝きなんかメッキだと とっくに知ってるから 何様の常識なんだ? 誰様の正義と悪なんだ? さぁ、お前らと手を取り合えば 明日が来るぜ ノーミュージック、ノーライフ、イェイ! 握手券のヒットパレード カリスマにもすぐ会えちゃって 見た目で満足で… 感じたまんま行けるなら 抱えたまんま行けるなら ありのまんま生きれるなら どうなってもいいのか? 完璧なんか幻と 輝きなんかメッキだと 争いなんかいらねぇと とっくに知ってるだろ? 俺達の人生なんだ お前らの命と愛なんだ 今すぐ認め合えれば 何度も手を取り合えば 何様でも誰様でも 胸張って笑える 明日が来るぜ |
足跡suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | 帰り道と共に覚えていて たとえお前が忘れていても 春の息吹と夏の陽射し 俺達は生きて来た 足跡残して 長い長い この畦道行けば 辿り着けると 遠い遠い お前が追い求めた 輝きの街 泥だらけの靴が嫌いで 虫の声に耳を塞いで 目を瞑れば四角い空を 憧れの姿を 帰り道と共に覚えていて たとえ俺を忘れていても 巡り合う季節を抱いて お前と根差した希望の苗 一言好きだと伝えていたら ここで暮らしてくれたろうか いくつもの分かれ道抜けて 俺達、歩いて来た 足跡残して 淡い淡い お前が駆けて来る 朝もやの幻 北風に髪をなびかせて 眼差しは南を捉えて 夢を掴む為にその手は この手から離れた 帰り道と共に思い出して たとえ心を見失っても 秋の実りと冬の星座 お前が咲かせた温もり達 一言好きだと伝えていても 繋ぐ事など出来なかったろう いくつもの可能性の中 俺達は生きて来た 旅立ちの言葉 今思い出している ならば伝え切れば良かった 赤い笑顔と白い涙 お前が残した未来の種 何度でも元気かと叫びたい 心配無いと叫んでくれ それぞれの命を抱いて 俺達は生きて行く 足跡残して |
アイス缶珈琲suzumoku | suzumoku | suzumoku | suzumoku | | 適当な嘘でごまかして 仕事を抜け出して来たのさ 平日昼下がり 気に障る先輩の愚痴に 次々課せられるノルマに 嫌気がさしたのさ 普段はそれなりに真面目で あまり目立たない方だから 誰もとがめやしない ロッカーに置き忘れてきた 缶珈琲が気になるけど まあ、どうでもいいや 誘われるように仰いだ空が今日だけは やたらと高くて広いのに それを遮った人混みはただ 急ぎ足で下を向いてひたすら流れてる ポケットに両手をしまって 溜息の理由を探して こんな日になるなら 雨でも降ればいいのに のんびり浮かぶ雲にさえも 追い越されそうな足取りに 今更気が付いた 行く宛も無いんだって事 知らない街でも歩こうか それとも静かに過ごそうか 持て余した自由 コンビニで小銭を数えて すがるような気持ちで掴む いつもの缶珈琲 “そのままの君でいいよ”と歌うスピーカー 飽きるほど聴いた曲なのに 無性に焦りだした僕はただ 急ぎ足で下を向いて逃げ道を求める ポケットの両手を握って 溜息を必死で隠して こんな日になるとは想像もしてなかった せわしない向かい風の中 解けそうな靴ひもを見て 今更気が付いた このままではダメだって事 誘われるくらい綺麗な空を仰いでも“そのままでいい”と言われても 心はもどかしくなるばかりで 立ち止まって上を向いて泣きたくなるだけだ ポケットから両手を出して 溜息も全部吐き出して こんな日の自分もまだまだ変えれるはずだ 適当な嘘でごまかして とりあえず仕事に戻ろう 今ふと気が付けた 少しは前進出来る事 ロッカーに置き忘れていた 缶珈琲を一口飲む 思わず目を瞑る 夜中のつらい残業には ありがたいくらい冷たくて 苦味もちょうどいい |