わるくない 関取花  | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | あなたはあなたが好きですか わたしはわたしが好きですよ 昔は大嫌いだったけど 今はそんなにわるくない 人は比べて測るもの 生まれも育ちも違うのに 勝ちだ負けだ上だ下だと 並べて眺めて語るもの おどけて笑ってごまかして 空気を読んだら褒められて 言いたい言葉は言えなくて こんな自分 なんですか あなたはあなたのものだから わたしはわたしのものだから 思っているよりもろいから ちゃんと大事にしなくちゃね 食べては吐いてもやりました 嘘もたくさんつきました 5年、10年経ってから 残ったものなど一つもない 毎日泣いてたひとりぼっちで いつだか優しい人が来て あたたかい両手で抱きしめた こんな自分で いいんですか あなたはあなたを守れてますか わたしは未だにわからないけど 蓋した傷ごと生きてゆく 痛みを忘れずいたいから ありがとうごめんね そして「いやだ」と 勇気を出して言うんだよ ずいぶん時間はかかったけれど わたしはわたしになれました あなたはあなたが好きですか わたしはわたしが好きですよ 昔は大嫌いだったけど 今はそんなにわるくない |
VRぼく 関取花  | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | 妄想ばっかしている リアルの向こうがわ たしかにぼくは触れてる あたたかいな 健康ばっか気にして 寝てるなんて言うけど 全然違うことしてる 朗報なんてないのさ ひとりぼっちだから だけどもぼくは触れてる やわらかいな 速攻はじけ飛んだら みっともないから 窓の外ばっか見てる 仮想現実の中で ぼくはきみを抱き寄せる 嘘も本当もないこの場所は 少しだけ息ができる 問答無用で端に追いやられてきた 決定的な違いはなんだったろうか 応答なしの連続 もうわかってるけど 誰も教えてくれない 方法ばっか探って 頑張ってたけど やっぱりぼくはいびつで 異物だったんだ 労働ばっかしてたら 死にたくなるから 今日は人生休みます 仮想現実の中で ぼくはきみを抱きしめる 嘘も本当もないこの場所で 少しだけ優しくなる 仮想現実の向こうで 昨日のぼくが泣いてる 嘘が本当になる一瞬で すべて忘れさせてくれ 仮想現実の中で ぼくはきみにキスをする 嘘でも本当でもいいから 少しだけ愛してくれ |
いつかね 関取花  | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | いつかひとつになれたらね 思い出めぐる旅に出ようよ かばんの中にアルバムを 一冊ずつ詰めて それぞれの過ごした日々を ただ辿るだけの旅だよ ガイドブックには載らない ふたりだけの地図で はじめて自転車に乗った ライン川のほとり 野うさぎに出会った帰り道 雨宿りをしたバス停 いつかひとつになれたらね 思い出の場所まで連れて行くよ わたしの大好きな景色 あなたにも見せたいの 走り回った芝生 フレデリックの風に 合わせて奏でた口笛の メロディーを聴かせて いつかひとつになれたらね 思い出の場所に連れて行ってよ あなたの大好きな景色 わたしも知りたいの ふたりの大好きな景色 もっと増やしたいの |
空飛ぶリリー 関取花  | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | 長い眠りから覚めて 目を開けたなら青い風 包み込まれてしまったんだ ハートがうずく季節に 半分忘れかけていた 願いをこめた流れ星 世界に触れた瞬間に 思い出した春の夢 恋をしてしまえよリリー 黄色い羽の女の子 どこまでも飛んで行けよ ごらんよ空が綺麗だ 優しさってどんなだったっけ 教えてくれた青い風 手を繋いで舞い上がったんだ ハート型の雲の上 傷つけられて当たり前 トゲの生えた言葉ばかりで いやになっちゃうこんな現代で めぐり会えたなら運命 恋をしたらいいよリリー 花によく似た女の子 自信を持っておくれよ きみはとっても綺麗だ 恋をしてしまえよリリー 黄色い羽の女の子 どこまでも飛んで行けよ ごらんよ空が綺麗だ |
安心したい 関取花  | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | 丸くなったら負けだと思い 一生懸命とがってきたけど 油はきつい 酒もいらない たばこの煙じゃ明日は見えない 安心したい あなたの腕で カステラみたいなダブルベッドで 小鳥の声と 朝の光に 透けるカーテン なんて幸せ ここで一生暮らしていくの 傷つくことなどもうないのよね かさぶたとれた ゴミの日捨てた 痛みも涙も燃えてなくなれ 目を瞑りたい あなたの横で クリームみたいな布団の中で あたたかい手に 包まれながら 優しい優しい夢を見たい よくやったでしょ 頑張ったでしょ ねえもういいでしょ わたし わたし 安心したい あなたの腕で カステラみたいなダブルベッドで 小鳥の声と 朝の光に 透けるカーテン なんて幸せ |
二十歳の君よ関取花 | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | とは言ってもそんなに甘いことばかりじゃない こらえる涙も増えるだろう 嘘の笑顔も覚えるだろう 苦い酒の味を知って 大人の勲章つけたって 人生は一気に変わらない また季節が巡るだけ いくつもの恋をして たくさん間違えて 眠れない夜もあるだろう だけど焦らないで たかが20年 されど20年 あなたは生きた 生きてきたんだ それだけでもう立派なもんだ どんと構えて行けばいい 買った服も出会った友も ほとんど残らないけれど 音楽や本や映画は その後も君を救うだろう まずい煙吸って吐いて 汚れた気分になったって その瞳の奥は変わらない また季節が巡るだけ 数えきれない夢を見て 何度もやぶられて 自分なんてと嘆くだろう だけど忘れないで たかが20年 されど20年 あなたは生きた 生きてきたんだ それだけでもう立派なもんだ どんと構えて行けばいい たかが20年 されど20年 あなたが愛し愛されてきた これまでの日々があることを その胸に抱いて行けばいい 二十歳の君よ どこまでも |
会いたくて 関取花  | 関取花 | 関取花 | 関取花 | | 優しくなれないわたしたち 噂話に精を出し 退屈しのぎをしてるのさ 本当のことから逃げながら 人の生活を覗いては ああだこうだと石を投げ 自分はここだと叫んでる 手首に傷をつけるように ああ 愛しておくれよと ああ 言えたらいいのにな ああ 誰かに会いたくて 会いたくて 会いたくて 黙っていたっていいんだよ そばにいてくれりゃいいんだよ 特別なことはいらないよ 話を聞いてほしいだけ たった一人の恋人と 片手で足りる友達と なんでもないようなことをして 笑ってみたい 笑いたい ああ 愛する人たちは ああ 今どこにいるのだろう ああ いつか会いたくて 会いたくて 会いたくて ああ 愛しておくれよと ああ 言えたらいいのにな ああ 誰かに会いたくて 会いたくて 会いたくて |