あなたに似た人大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | あなたは首をよこにふる わたしは遠くを見ている くりかえされた退屈な夜が あなたをさらっていった 壁の落書きのように 街にふられつづけている うしろを向いた純情なんか ちっぽけで悲しいだけ 胸に煙る 淡い微笑みを抱いて 愛をつなぐ 日々はせつなくて 嘘をついた甘い唇 柔らかい夜の中で 痩せた夢を抱きしめて またすれちがうあの日の私と あなたに似ている人に |
もういちどトゥイスト大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | つまさきが痛いほど棧橋走りぬけ しつこいからキライとふりむき頬ぶった じょうずな言いわけ できなかったから 港の見えるダンスホールひとりで腰かけて 夢見るような瞳で聞いてる“ONLY THE LONELY” テーブルの隅に イニシャルを書いた あなたクルーカット 衿のボタン・ダウン そして二人踊ったでしょ もう一度twist again 青い月の湖ボートをこぎだして うちあけられた恋を忘れていないけど みんな変わるから それがステキなの 白いデッキ・シューズ 長いサマー・キャンプ 暑い夏のあの約束 もう一度twist again |
人魚と水夫大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | 陽気な誘惑 私をよこぎる あのひとのオリーブの肌 そう見ないふりするの 光の指輪を 白い砂にそっと埋めた 約束は蒼い波間に きっとかえしてあげる 魚が踊る 南の海で 銀のしずくになるの あなたの夜と わたしの昼が 夢の時間にひらく 木陰のささやき まどろむ情熱 待つことも行くこともない だからひとりでいるの |
スナップショット大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | 小鳥たちが揺らす梢は まぶしく息をふきかえし こんなふうに肩を並べて 歩く春を待っていたの 陽射の中のあなたを見せて 香る言葉で愛して こんな今日は初めてなのに 胸の奥が懐しくて 自然なままのあなたを見せて 愛がこぼれて微笑む 水の上にふたつの影を 映して見てる澄んだ午後 時が運ぶ遥かな日々に 優しい勇気住んでいるの |
恋人たちの時刻大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | はじめてのくちづけ あなたにあげたから 淡色の絵の具で わたしを染めぬいて あなたのコオトにくるまり 木枯らしの街を駆けた 春はまだ南の 海辺で遊んでる さよならをかくして あなたを抱きしめた なくした言葉のかけらが てのひらで涙にかわる いつか わたしは過去に手をふり あなたは夢に生きる 遥かな恋はひき潮 砂はかわいた音をたてる おきわすれたラジオ 聴いている天気図 それぞれの街角 あたらしい風が吹く |
五番目の季節大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | 耳の奥に響く あの記憶の足音 地平線越えて来る 遥かビゾンの群を連れ 雲は流れてゆく 緑燃えるところへ 太陽の通る道 石は大地と空結ぶ 涙の花びらが心につもる 犯したあやまちを墓標に刻む 生まれたあの家も 夢の時代も消え去り ほどけてる靴の紐 結びなおして歩いてく それから五番目の季節を待てば 静かにおとずれる甘い黄昏 小さなゆりかごに時が囁く 瞳はあどけなく人に目ざめる |
HYMNS大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | 美しく惑いに満ちた あなたの歩いた道 通り過ぎればあとかたもない 詩に姿をかえたから 名も無い花にたくした想い めぐる季節に咲いて香る 喜びも悲しみさえも やがて消える幻 手にした時に色を失う またたく星を胸に抱く |
木立の中の日々大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | 庭のすみであなたの植えたくちなしが 今年も花をつけた あなたはまた優しく強く抱きしめる けれどそれはあいさつのようなもの 見つめる私を この幸せが不幸にする 恋はせつないから 恋を忘れただけ 冬の朝は夏の白さが懐かしく 逢えないままの友達 はずむ声がひびく受話器の向うから 遠く海の詩が聞こえてくる ああ、木立の中を 歩く時だけ私になる 過去の駅に立てば 今は待つ人もいない そして変わらないことは あなたを愛している |
ぼくの叔父さん大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | 大貫妙子 | | 傘のステッキ あいさつする帽子 自転車に乗ってぼくを むかえに来た こわれた壁の 近道通りぬけ ないしょで砂糖のこげた パンをかじる 仕事はなくても天気がよけりゃ パイプの煙で名案を思いついた くたびれコートのポケットの中 七つの扉をかくしてるぼくの叔父さん 屋根裏部屋は 星降る蒼い船 窓からのぞくドラゴン ウィンクして 夢のページを開き Bonne nuit a demain |
彼と彼女のソネット大貫妙子 | 大貫妙子 | C.Coper・R.Wargnier 日本語詞:大貫妙子 | R.Musumarra | | 今の私達をもしもなにかにたとえたなら 朝の霧のなかで道をなくした旅人のよう いくつもの偶然からあなたにひかれてゆく 星は瞳に落ちて いくつもの夜を超えて渡った時の迷路 解きあかしてきたのに おおきなあなたの胸ひとりはなれた 木の葉のような心ささえたまま かわいた風は私を運ぶ 君はそう…いつのまにか知ってる 僕をこえて歩いて行けることを 懐かしい白い指に触れても ほどけてゆく遥かな愛の思い もう一度いそぎすぎた私を 孤独へ帰さないで いつまでもあなたのことを聞かせて 愛をあきらめないで |