からだだけの愛ギリシャラブ | ギリシャラブ | 天川悠雅 | 天川悠雅 | | I Miss You は毎日で I Love You は毎秒さ ぼくらは生まれた時から内的にラリってるんだよ I Miss You は毎日で I Love You は毎秒さ 猿は猿でも美しい猿さ からだだけの愛 君の内臓の奥に潜む怪物を抱いた日は とてもいい天気で しびれる舌の根も乾くのさ |
モデラート・カンタービレギリシャラブ | ギリシャラブ | 天川悠雅 | 天川悠雅 | | ポロ・ベアのセーターの少年 赤いゴムまりを石畳について 朝霧にまつ毛を濡らし 港の方へかけていく 太陽の見すぎで酔っぱらった少年の魂が 死に向かって走る一陣の風に変わって 少年はすり減っていった 「そうか、わかったぞ! 普通の速さで歌うことが どうしてできないのか。太陽のせいだね。 ギロチンは処刑台を降りてでも ぼくの首をはねに来るだろう……」 ギロチンの足音がきこえる…… |
ブラスバンドギリシャラブ | ギリシャラブ | 天川悠雅 | 天川悠雅 | | ぼくらはきっと野垂れ死にさ 冬の路上で なけなしはたいて買ったバラを 胸に抱きながら 君らは老いたウェルテルのように 虚ろに生きるがいい ぼくらはきっと死ぬわけじゃない 永遠に眠るだけ 死んだらおしまい それがルールさ もう一度いうよ 死んだらおしまい 語り合わずに黙り合おうよ このものものしい沈黙を マイクで拾ってスピーカーから流してやろう 爆音で ぼくらはきっと野垂れ死にさ なけなしはたいて買ったバラを 胸に抱きながら |
ペーパームーンギリシャラブ | ギリシャラブ | 天川悠雅 | 天川悠雅 | | 湯水のように金を使いたい せめて水のようにお湯を使いたいけど 植木鉢にお湯をかけてみたり 金をまいてみても花は開かないのさ そうさ 天気は悪ければ悪いほどいいのさ 天気は悪ければ悪いほどいいのさ 雨に濡れて 雪に埋もれて 君とキスして 雷に打たれて 湯水のように金を使えない 水のようにお湯は使えない いいさ 景気は悪ければ悪いほどいいのさ 景気は悪ければ悪いほどいいのさ 紙の月を部屋に浮かべて その引力で水を増やして 船を浮かべどこに行こう? 君と二人どこへ行こう? |
どういうわけかギリシャラブ | ギリシャラブ | 天川悠雅 | 天川悠雅 | | 人面機関車トーマスの お面をつけた子供たちの お面をはがせば人の顔 ひとの顔したひとの顔 音楽を聞くと寝てしまう 三つの頭を持つ犬の 好きな歌はすぐ終わる歌 寝てしまう前に終わる歌 撃って撃って撃ちまくる とまどいながら でも笑いながら おもちゃの拳銃なのに 手がふるえているよ どういうわけか 生きるため殺すひとがいる 殺すため生きるひともいる 生きるため生きるひともいる 殺すため殺すひともいる 生きたくても死ぬひともいる 死にたくても生きるひともいる 生きながら死ぬひともいる 死してなお生きるひともいる どういうわけか ぼくは 撃って撃って撃ちまくる いらだちながら でも笑いながら おもちゃの拳銃なのに 手が震えているよ どういうわけか |