全てが自分じゃないからこそ歌える歌がある。
まるりとりゅうが
全てが自分じゃないからこそ歌える歌がある。
2021年6月30日に“まるりとりゅうが”が1stフルアルバム『まるりとりゅうが』をリリース!アーティスト名を冠した今作。デビュー直後に配信チャートで1位を獲得した「気まぐれな時雨」や失恋ソングの定番曲「幸せになって」、タイアップ曲である「ONE STEP」「サニー」「リナリア」、さらに新曲を含む全12曲を収録。バラエティに富んだ楽曲と、2人ならではのハーモニーが堪能できる充実の内容に仕上がっております。 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“まるりとりゅうが”のMaRuRiによる歌詞エッセイをお届け!今回が最終回。綴っていただいたテーマは「わたしと歌」です。歌が大好きだった幼い頃に気づいたこと。上京してからのRyugaとの出逢い。そして“まるりとりゅうが”として歌うときの想い。今作を聴きながら、このエッセイもじっくりとお楽しみください…! ~歌詞エッセイ最終回:「わたしと歌」~ 私は6歳の頃から12年間合唱団に所属し、声楽を学んでいた。合唱団では年に数回コンサートがあり、私の両親はいつもビデオカメラで私の歌っている姿をおさめてくれていたのだが、コンサートでは英語やイタリア語、古典的な歌など、様々な言語の楽曲を歌詞の意味を理解せずに歌うことが多々あった。 ビデオカメラの中に映っている私は、みんなが知ってるような、いわゆる音楽の授業で学ぶような曲の時は笑顔で楽しそうに歌っている。一方で、歌詞の意味を理解しない(できない)まま歌っている時の私は、まったく生気の無い表情で、なんとなく歌っている様に見えたのだ。 その時、私は知ったのだ。歌詞の意味を理解して頭の中でしっかり解釈をしてからじゃないと、どんなに歌うことが好きな私でも、心から楽しんで表現できないということを。 月日は経ち、私は歌手になりたいという夢を抱いて19歳の頃に、地元福岡を飛び出し、東京に出てきた。地道に活動しているうちに今の相方・Ryugaとの出逢いがあった。きっかけは、SNS。 RyugaがSNSに載せていた「好きなのに」というオリジナル楽曲を聴いて、私からメッセージを送ったのが始まりだった。とても良い曲だったから、なにか行動に起こさずにはいられなかったのだ。今思えば、その時からRyugaの楽曲制作の才能を私は誰よりも感じていたのだと思う。 そして色々な縁が重なり、2018年、私たちは男女ユニット『まるりとりゅうが』を結成することになった。それからはRyugaの作る音楽、想いを、私の声に乗せて表現するという今の形が出来上がった。 Ryugaは人一倍、歌詞に対する想いが強く妥協を許さない人だ。だから私が間違った解釈をして歌っていたりすると、「そこはこう歌ってほしい」と明確なアドバイスしてくれる。 しかし、歌詞の意味を頑なに教えてくれない時もある。そんな時は私なりに精一杯、その曲の主人公になりきってみる。主人公が失恋していたら、どん底に失恋した気持ちで。自信のない女の子が出てきたら、本当にその女の子になりきって落ち込んでみたり。その歌詞と同じことをしてみたりすることもあった。 まるりとりゅうがの音楽は、ほとんどが相方のRyugaの作る作品だからこそ、私にしか表現できない特別なものが生まれると思っている。全てが自分じゃないからこそ歌える歌がある。「なりきる」って案外楽しい事だから、やっぱり私は歌が好きだ。 <まるりとりゅうが・MaRuRi> ◆1st Full Album『まるりとりゅうが』 2021年6月30日発売 UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤 PDCN-1017 ¥4,950(税込) 通常盤 UPCH-20589 ¥3,300(税込) <収録曲> 01. 気まぐれな時雨 02.リナリア 03. わけじゃない 04. 幸せになって 05. 甜言蜜語 06. らしく。 07. ONE STEP 08. サニー 09. どこにもないの 10. 嫉妬 (Album ver.) 11. シール 12. 幸せになって (Piano ver.)