言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介していくこのコーナー。
今回は、ロックバンド“SUPERCAR”のギタリストとしてご活躍され、バンド解散後は、Superfly「愛をこめて花束を」などのヒット曲を手掛けるなど、作詞家&音楽プロデューサーとして活動されている「いしわたり淳治」さんをゲストにお迎え致しました。

いしわたり淳治

代表作

愛をこめて花束を」/Superfly
真昼の花火」/中孝介
進化論」/新垣結衣
結界 IN MY BED」/栗山千明
あなたのその笑顔はいいヒントになる」/植村花菜
NEW HORIZON」/B-DASH
その他多数。

作詞論

わたしは歌詞はすでに曲の中に存在していると思っています。なので、頂いたメロディを何度も聴いているうちに浮かんできたイメージを言葉に翻訳する感覚で書いているような気がします。

いしわたりさんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
SUPERCARというバンドで歌詞を書いていました。その延長で、2005年のバンド解散後から作詞家として活動を始めました。
Q:
プロ、初作品について
A:
1997年 SUPERCAR「CREAM SODA」。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
わかりません。依頼して頂いた相手にオーダーメイドで歌詞を書くのが作詞家だと思っています。
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
そのような観点で考えたことがありません。全部好きです。
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
言葉は誰でも使っているツールですが、それを誰よりも上手く扱う詩人という職業は、もしかしたら世界でいちばん恰好良い職業なのではないかしらとあるとき思ったからです。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
アドバイスなんて何もありません。きっと何のアドバイスがなくても直感で良い歌詞をびしっと書ける人が優れた作詞家になるのだと思います。
歌詞を見る Giving Tree 原田知世

原田知世さんの声は、ストーリテラーのような、ナレーターのような、透明で澄んだウィスパーボイスという印象だったので、まるで絵本を読んでいるようなストーリー性のある歌詞を書こうと思いました。淡々と進んでいくストーリーの中に切なさと毒を同じ分量で潜ませてみました。

■私の好きなあのフレーズ
「愛が欲しいのならば愛を与えましょう
けれど愛の意味を何も知らないんでしょう」

PROFILE

いしわたり淳治Junji Ishiwatari

青森県出身、1977年8月21日生まれ
1997年にロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビュー。アルバム7枚、シングル15枚を発表し、全曲の作詞とギターを担当。2005年のバンド解散後は、作詞家、音楽プロデューサーとして活動するかたわら、雑誌等への執筆もおこなっている。ソニー・ミュージックエンタテインメントCPファクトリー所属。

[CDリリース情報]

いしわたり淳治&砂原良徳+やくしまるえつこ
「神様のいうとおり」

KSCL-1588 ¥1,223(tax in)
2010.05.26 Release

S.R.S
「ACROSS THE MINDSET」

TFCC-86322 ¥2,800(tax in)
M-13:Sometiems-B.C.- を除く全曲
2010.03.03 Release


土岐麻子
「乱反射ガール」

RZCD-46547 ¥2,940(tax in)
M-4:薄紅のCITY
2010.05.26 Release

CHiAKi KURiYAMA(栗山千明)
「流星のナミダ」

DFCL-1622 ¥1,223(tax in)
M-2:結界 IN MY BED
2010.02.24 Release

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