シェナンドー河に捧ぐ

年老いた男が涙もぬぐわず
陽に焼けたこぶしを握りしめ語る
今は亡き息子と妻へ生きる力が欲しいと
その顔に刻まれた男の生き様
もう誰れも責めはしない たとえ今死んでも

シェナンドー悲しみの河 何も知らずに流れる

教会の鐘の音が遠くで聞こえる
幸福に暮らしてたあの頃の響き
少しも変ってはいないと男はそうつぶやく
想えばつらい日も長く続いた
けれど輝いていたあの時にもう二度とは戻れない

シェナンドー悲しみの河 何も知らずに流れる

この河のほとりを妻と歩いた
この河で息子と泳いだ想い出
年老いた男の最後の涙 今この河に捧げん

男は指先で 砂にしるした
今こそ帰らん母なる海へ 身も心も帰らん

シェナンドー悲しみの河 何も知らずに流れる

シェナンドー悲しみの河 何も知らずに流れる
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