愛憐歌

顔をあげれば東の空に
浮かぶ半月 黄昏もよう
遠く見下ろす 街場の灯り
二年の月日は思い出ばかり
あなたの心のどこに私がいたのでしょう
聞いても写真が笑うだけ
哀しみ抱いたまま たどる道
歌う愛憐歌

道で行き交う誰もがみんな
見えるしあわせ 気のせいですか
ふたつ たむけた桔梗の花と
お酒の瓶がせめての想い
あの頃 ふたりで飲んではしゃいでいたものを
今では哀しい彼岸会(ひがんえ)に
涙でつぶやいた あんた馬鹿
ひとり愛憐歌

夕餉の仕度も 心むなしいものだけど
明日をみつめて生きるため
ため息 捨てました今日からは
夢で愛憐歌
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