遅い春

おまえになんにも してやれないと
握ったわたしの 手を離す
春よこいこい 一足おくれの遅い春
別れ話も あったねと
ふたりで笑える 明日をつれてこい

お酒を飲んでも 飲まれちゃだめと
わかって酔ってる 憂き世酒
春よこいこい 一足おくれの遅い春
子どもみたいに 水中花
咲かせたあの夜の あなたをつれてこい

はじけた夢なら はじけたなりに
ちいさな暮らしを まもりたい
春よこいこい 一足おくれの遅い春
薄い陽ざしの 街うらに
短かい春でも しあわせつれてこい
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