残雪の駅

肌を刺すよな 北風が
待合室の 小窓をたたく
遠い汽笛が 近づくたびに
あなたに縋る 私の未練
雪に埋れた あ 冬の駅

人目忍んだ 愛だけど
しあわせでした 短い月日
妻と云われる 女の夢を
あなたのために 悲しく捨てて
暮らす海辺の あ 雪の町

花の蕾が 残雪の
つめたい駅に 告げるの春を
思い出すのよ 別れた夜の
線路の果てに 夜汽車と消えた
あなた恋しい あ なみだ駅
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