滝桜

きらめく日射しに 陽炎(かげろう)が
燃えてみちのく 春霞
ひとり咲いて 咲いて咲いて咲いて
ただひとすじに 誰を待つのか 滝桜
返らぬ恋を 懐かしく
想い出させる 三春(みはる)の里よ

はらはら舞い散る 花びらを
そっと両手で 受け止める
風に揺れて 揺れて揺れて揺れて
ただひたすらに 何を思うか 滝桜
花の命の 儚さに
涙こぼれる 三春の里よ

流れる月日の 移(うつ)ろいに
姿変わらぬ ベニシダレ
千年咲いて 咲いて咲いて咲いて
ただひとすじに 何を見つめる 滝桜
雪解け水の せせらぎに
心やすらぐ 三春の里よ
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