紫陽花ばなし

港のはずれの “紫陽花”は
今夜かぎりで 店じまい
ありがと新ちゃん 頑張れママと
世渡り下手の 口下手が
酔いにまかせる 演歌ぶし

いつでも船出は おとこだけ
たまにゃわたしも 見送って
ありがと玄さん 土産だなんて
二度惚れしたと 手をおいて
肩に隠れて しのび泣き

上りも下りも 日本海
どこへゆこうか かもめどり
ごめんね文ちゃん 夫がいます
他人(ひと)には云えぬ 過去がある
雨も吐息の こぬか雨
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