月の眼の少年

纏いつく光に 重い香の煙
色恋のない喘ぎに咽(むせ)ぶ街
暗い陰に落ちて 息を潜めるのは
孤独を従えている 月の眼の少年

望み届くように 夜空の風へと 祈りを託した

捕らわれず 解き放していく
聖なる歌には仄かに 愁いた想いの色を乗せて

届かない光へ 言葉を詠(う)つように
小さな涙の雫がひとつぶ零れる

それすら失くすように か弱いその手に 絡まるその運命(さだめ)

捕らわれて 解き放たれずに
魂を震わせている 悲しみに深く瞼を閉じた

いつか誰かどうか 僕のこの声の 欠片に気付いて

この願い 胸にしまいこみ
君に触れられる場所まで 歩き続けてみせるから

純白の 翼を広げた
空を背負う鳥の様に 僕を太陽まで導いて
×