翔歌(しょうか)

おなごは泣いても 許してくれる
だけど男は 泣いたらいかん
七つに成る日を 待ってた父が
鮒釣り川の 向岸(むこう)で呼んだ
翔ぼうかい 泣こうかい
どうせ泣くなら 背中見せるな

浮き世はうつろう 漂うままに
回れ右すりゃ 尻尾が頭
躓き転んだ 路傍の石が
野に咲く花を 教えてくれる
翔ぼうかい 泣こうかい
どうせ泣くなら 逃げて生きるな

おなごは負けても 愛嬌ひとつ
だけど男は 負けたらいかん
いつもは無口で 優しい母が
そっと握った 拳が道標(しるべ)
翔ぼうかい 泣こうかい
どうせ泣くなら 勝負にかけろ
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