夜霧の馬車

行(ゆ)け嘆(なげ)きの馬車
赤い花散る港の夕べ
旅を行く我を送る
鐘(かね)の音(ね)さらばよ
いとしあの町君故(きみゆえ)に
幾度(いくたび)降り返る

啼(な)け鴎(かもめ)の鳥
あわれ切なく夕陽は燃える
波の上浮(うか)ぶジャンク

淋しやはろばろ
誰が歌うか愛の歌
夜霧に流れ来る

行け嘆きの馬車
月に胡弓(こきゅう)の流れる町を
いつか見ん母の待てる
故郷(ふるさと)なつかし
窓の灯影(ほかげ)を夢見つつ
果てなく旅を行く
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