ナイター

あれから一年が過ぎて
今夜は一人 ナイタ―に来ています
長くはないと告げられて
それでも二人 何度か来られたね
昔みたい

大声でメガホン叩いて
自慢げにウンチク繰り返し
今日だけとビールを半分だけ 飲み干した

夏の夜風は 大事な人を
遠く 運んで行きます
酔えばいつもの 野球の話題
もっともっと 話したかった
どうですか この私
いい娘でしたか?

いつしか次のチケットが
私と父の心を支えてた
携帯フォルダーの中に
今でも残る ベッドのサンタクロース
覚悟のピース

どんなに急げどダメでした
二回目の電話は午前五時
戸田橋の路肩にハザードつけ 叫んでた

真面目だけが取り柄でしたね
みんな あなたが好きです
勤め上げたら 終わりだなんて
もっともっと 笑いたかった
空の上 ビールを手に
盛り上がっていますか
暫くは 右隣
空席にしてます
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