男花 女花

男が荒野(あれの)の さくらなら
女は撫子 かげの花
嵐と戦う あなたの側で
めだたぬように わたしはつくす
男花 女花
咲いてなみだの 実を結ぶ

うまれは何処かと 聞かれたら
越後のあたりと 答えます
色香でかくした 勝気なこゝろ
うす紅色が わたしの彩(いろ)よ
男花 女花
好きなあなたと 恋を舞う

男は命の 一重咲き
女は情けの かさね咲き
一年 三百六十五日
あなたのために わたしは生きる
男花 女花
うき世この道 ふたりづれ
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