遠い海

遠い海の記憶がある 美しいその人は
日傘さしていつも独り 寂しそうに海を見てた

遠い人を 来ない人を 待ち続ける黒い瞳や
透けるような白い肌は 少年達の憧れだった

君に出会ったとき その人を思いだした
そしてきみはやはり あの海が見たいと言ったね

すぐに来る あの夏の終わりの
悲しい予感は そのときにはまだ無かった

時間はまだあると そう、勝手に思っていた
海から吹く風や夢の音を 聴かせたかったね

海に連れて ゆけなくてごめんね
悲しい予感は あのときにはまだ無かった

遠い人を 来ない人を 待ちながら
一人きり 僕は君を 想って暮らすのだろう

遠い海で
×