神楽坂

泣いてるような 三味の音風に聞き
日暮れの駅の改札出たら
想い出すのは かあさんの言葉 あの言葉
私は運が なかったけれど
おまえがそのぶん幸せに なればいい…‥
あの煙草屋の横の 空地に咲いた
今年も咲いた かあさんの酔芙蓉
ただそれを見に‥ただひとり来た 神楽坂

その頃はまだ ホタルが飛んできた
切子の赤い風鈴鳴れば
ためいきついた 若い日のあなた あの笑顔
今から見れば 女のさかり
心をひかれた恋だって あったはず…‥
この石段に立てば 東京が見える
ささやかすぎた かあさんの人生が
ただありがとう‥ただ言いたくて 神楽坂
…‥神楽坂…
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