てのひら

僕の手を握ってくる
小さな手 握り返す

大事なものを忘れたまま 僕は夢中で走っていた
振り返ればきみが遠くで 寂しげに立っていた

二人の時間が ただ傷つけ合うだけになってゆく
締め付けられる胸 きみの涙さえ
守れない手のひら 見つめて

きみが笑っていてくれる日を
作るために このてのひらはあるんだ
きみが悲しい時には 抱きしめてあげるために
僕の腕はあるんだ

自分のことだけ考えて 今まで生きてきた
だけど今から 僕は新しい生き方を 始めるよ

二人の時間に 幸せそうに眠るきみの顔を 見つめて
締め付けられる胸 僕にとって一番
守りたいものを 見つけたよ

きみが笑っていてくれるのなら
それだけで もう何も 何もいらない
きみの瞳が どしゃ降りの雨だったら
僕がそこに 虹をかけてあげるよ
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