萩野原

なつかしい野原で遊んでる夢を見ました
何がそんなにおかしいのか 笑っていました
風の吹く野原で 髪が舞い上がっても
笑いながら走ってゆく後ろ姿
振り返ると いつのまにか後ろ姿
振り返ると あの人に変わっていて
招くように急がすように笑って 消えました

萩の咲く野原は行ったことがないのに
白く揺れる野原は まるで波のようでした
その中で私はあの人を呼んでいました
思い出せば 昔一輪もらいましたね
目をさますと 暗い部屋で泣いています
知らぬ人の腕の中で泣いています
思い出せるあの人は いつも少年です

なつかしい野原は今もあるのでしょうか
いつか私が帰ってゆく白い野原は
その中に私は 住むことができるでしょうか
何も起きない頃のように 笑うでしょうか
目をさますと 暗い部屋で泣いています
知らぬ人の腕の中で泣いています
思い出せるあの人だけは いつも少年です
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