双曲線

ニューヨーク 9月の朝は
まだ遠いころの街
二十歳前 夢が続いていた
クィーンズボローを渡って

すべてが夢のように
時と消えてしまっても
あの空の下をかすめて今も
貨物船がイーストリバーを行く

傷ついたことも 笑っていたことも
どこか 遠いところへ
運ばれていくんだ みんな忘れてしまうように
夜が来るように

東京は まっかな
赤を閉じこめている
できたての かぜに舞う葉達も
なんだか楽しげ

傷ついたことも 笑っていたことも
川が海のもとへ かえっていくように
いつかは また出会うように
朝が来るように

あの空の下をかすめて今も
貨物船がイーストリバーを行く

傷ついたことも 笑っていたことも
どこか 遠いところへ
運ばれていくんだ みんな忘れてしまうように
夜が来るように

たどりつくように
いつかは また出会うように
朝が来るように
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