ゆびきり

傘に当たる雨の音を 2人聞いている
何気ない そして何もない そんな時間が好きだった

濡れた舗道 いつもより 少し穏やかで
幸せに寄り添う不安 かき消すように呟いた

ゆびきりしようよ 笑わずにほら
2人がこのまま 歩けるように

握りしめた傘の柄を そっと持ち変えて
抱き寄せた肩は濡れていて 何故か少し悲しくなった

2人だけの記念日が 増えてゆくたびに
アルバムに溢れるほどの 思い出たち集めよう

ゆびきりしようよ 笑わずにほら
理由など聞かずに 眼をそらさずに

通り過ぎる人たちが 視線残しても
この指が繋がるときは 雨の音も遠ざかる

ゆびきりしようよ 笑わずにほら
2人がこのまま 歩けるように

やがて雨は止んだけど 今はこのままで
傘の中 離れずいよう 君の肩が乾くまで

ゆびきりしようよ…
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