残照

いくつの別れに 唇かんだの
どれほど悔しさに 涙をふいたの
叫んでも祈っても 守れない生命を
抱きしめ暖めて 守ろうとしてきた

破られたページに 綴られた言葉を
誰がうけとめ 届けてくれるか
母を妻を いとしい我が子を
もしもなくしたら 何があるだろう

暗闇の向こうに 呼ぶ声が聞こえたら
夢中で走るよ 救えるものなら

いくつの淋しい戦いが終わって
どれほど いとしい人をなくした
荒れ果てた故郷に戻ったその時
抱きしめ暖めるものはなかった

どうしたら守れる こわれた心を
どうしたら愛せる からっぽの人生

無力な男に ようしゃなく降る雨
残された男に 答えはなかった
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