角館哀歌

恋の残り火 雪で消し
桜の頃には 忘れたい
あなたと別れて 訪ねた町は
北の静かな 角館…
生まれかわって 出直したいと
願うおんなの ひとり旅

墨絵ぼかしに 薄暮れて
淋しさあふれる 武家屋敷
あなたを失くして はじめて知った
夜の長さよ 角館…
泣けとばかりに 舞い散る雪が
肩につめたい ひとり傘

雪の切れ間に 三日月は
みれんに焦がれて 痩せたのか
あなたの面影 抱きしめながら
酔えばせつない 角館…
遠くなるほど 逢いたさつのり
こころ乱れる ひとり酒
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